イタリア土着ブドウ辞典
 
 イタリアの代表的葡萄から超ローカルな土着葡萄まで、ご紹介していき
 ます。葡萄品種の特質を知ることによって、その土地の風景から、その
 生産者の思い、ワインの味わいの世界までもが見えるようになります。


  No.9  モスカート・ビアンコ  Moscato bianco

同義語:モスカート・ディ・カネッリ、モスカート・ディ・トラーニ
歴史:非常に古いブドウ品種のグループに属し、現在ピエモンテ
からサルデーニャまで広く耕作される
特徴:中位の葉、五角形か三列葉の五角形。葉の表が無毛。
房は中ぐらい、粒が詰まっていて、筒型か円錐形筒型。短い翼を
広げたような形。粒は中ぐらいで丸い。皮はまあまあ分厚くしっかりしている。。色は黄色がかった黄金色で太陽に向いた側は琥珀色になる。こげ茶色の斑点があり、蝋粉はほとんどない。
樹勢: 良
生産性:良で規則的   
成熟: 9月の中旬
    
◎ピエモンテ州のモスカート・ビアンコ種を使用するDOCGワイン「アスティ」

◎「ワイン用葡萄ガイド」(ジャンシス・ロビンソン著)からの抜粋
時折、モスカート・ディ・カネッリとも呼ばれる。ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランのイタリアでの主要な名称。イタリアで4番目に多く栽培される白ブドウ品種で、1990年の総栽培面積は13000haであった。

モスカート・ビアンコはマルヴァジアのように大昔からのブドウでその用途は広い。事実上半島全体をカバーする地理的分布を謳歌している。モスカートと呼ばれるワインはイタリア全域に見られ、普通はモスカート・ビアンコから造られている。軽く、爽やかで、少し発泡性のあるモスカート・ダスティは、もっとも高貴なワインの一つである。イタリア南部と特に島々では、モスカートは典型的に黄金色をした甘口ワインである。

※モスカート・ジャッロとモスカート・ローザ(どちらもアルト・アディジェで栽培され、それぞれゴールドムスカテレルとローズムスカテレルと呼ばれる)は、より色の深い実をもつ突然変異の品種である。
◎トスカーナ州のモスカート・ビアンコ種を使用するDOCワイン「モスカデッロ・ディ・モンタルチーノ」
◎プーリア州のモスカート・ビアンコを使用するDOCワイン「モスカート・ディ・トラーニ」

◎ヴィーテ・イタリア高岡的見解
ソムリエ時代に強い意志で断行していたことがあります。それは、お越しいただいた
お客様にモスカートをデザートワインとしてグラスで提供することでした。そして
サービスする時に必ずこう言ってサービスしていました。

 
「これはイタリアが世界に誇るデザートワインです!」

モスカートといえばアルコール度も軽く、ほとんどマスカットジュースみたいに飲める
ワインだから、どうしても軽く見られがちです。いわゆる「通」の人は、ほとんど
「まがいもの」のような捉え方をします。(ま、確かにそういうレベルのものもあります^^;)

でも、上質のモスカートにある芳香性、そして酸の清らかさは、世界にただ一つ!
といっても過言ではないでしょう。

モスカート、概してスティ・スプマンテではなくモスカート・ダスティの方が素晴らしい
質を持ちますが、このワインの持っている価値には計り知れないものを持っています。

特に日本人には(^^;)


 1.軽くて飲み易い。アルコールが苦手な人でも飲めるワインである。
   だから「ワインに近づくきっかけになれるワイン」である。

 2.「デザートにワイン」という領域、食文化を教える絶好のチャンスを与えて
   くれる。

 3.「デザートからワイン」という「時間の流れ」をお伝えする最高のアイテム
   である。

 4.気持ちを休め、鎮めてくれるワイン。怒っているとき、機嫌の悪いとき
   ストレスが溜まったとき、大人ならモスカート・ダスティを飲んで、自分で
   自分の機嫌をとらないといけない(^^;)


 ふざけているのか、と思われそうですが、真剣です。


モスカート・ダスティを購買するメンタリティーを育てれば社会から自殺はなくなる
でしょう。

それほど、素晴らしいワインです。誰もが「ワインの素晴らしさ」に簡単に近づけ
その美味しさに涙することが出来る。


その優雅さを味わいたいのなら、グラスを選んでください。

泡が出ているからといって、フルートグラスを選んではイマイチです。イタリアでは
モスカートといえばこのグラスに決まっているんです。

      ←一昔前のシャンパングラス!!

なぜだと思います?

モスカート・ダスティはアルコール分が低い(5%前後)なのでアルコールが上に
上昇しにくい。だから低く、面積を広げて、そのモスカート香を十二分に楽しむ、
というわけなんです。

このグラスでモスカートを飲むと最高に愉快です。

 モスカートを評価する場合の留意点を書いておきましょう。

1.はっきりしたクリーンな甘いマスカット香があるか。
2.草やハーブを思わせる香りか、松の葉やセイジを思わせる香りか。
3.そして、綺麗な持続力のある酸を口の中の芳香性とともに感じられるか。


いけてないモスカートには、ちょっぴり雑味が混じっていたり、酸が頼りなかったり
します。香りの華やかさも十二分に注意してください。ピンキリですから(^^;)。

 
元気がないとき、元気になりたいとき、ちょっとストレス溜まってるかなと思える  
時、フルーツやパイ系のお菓子や焼き菓子とあわせて、飲んでみてください!!




オススメしたいモスカートは以下の通り(写真をクリックするとショッピングもできます)

モスカート ダスティ DOCG 750mlカシーナ カストレット 
モスカート・ダスティ カシーナ・カストレット社
 カシーナ・カストレット社のモスカート・ダスティ。最近飲んだモスカートではこちらが
素晴らしく良かった。甘みの凝縮感が綺麗な酸によってもたらされています。


モスカート・ダスティ ブリッコクアリア2004 ラ・スピネッタ 
モスカート・ダスティ・ブリッコ・クワリア

モスカート・ダスティ ラ・スピネッタスパークリングワイン 中甘口 
モスカート・ダスティ・ヴィニェート・ビアンコスピーノ

 ラ・スピネッタ社は、モスカート・ダスティの地位向上に貢献したワイナリーです。
モスカートをあえて畑ごとに収穫、醸造した初めてのスタイル。二つの畑で比べるのも
面白いよ!!因みに「ブリッコ」とはピエモンテ方言で丘を意味します。「ヴィニェート」
は畑。つまり「ウズラヶ丘」「西洋サンザシの畑」という意味です(^^;)


注目のイカルディ!“ローザ・セルヴァティカ”モスカート・ダスティ[2003]750ml 
モスカート・ダスティ イカルディ社
 芳香性という意味では、ラベルの美しさと共にこのワインが良い!モスカートの
楽しさと味わい深さを兼ね備えた傑作だと思います。


BOROLI ボローリモスカート・ダスティ 
モスカート・ダスティ ボローリ社
 「綺麗な酸」という意味では、このモスカートでしょう。余韻に残る酸の美味しさ。
 舌の上でピチピチとした酸の旨味をマスカット香とともに楽しんでみてください。


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