![]() イタリア土着ブドウ列伝 イタリアの代表的葡萄から超ローカルな土着葡萄まで、ご紹介していき ます。葡萄品種の特質を知ることによって、その土地の風景から、その 生産者の思い、ワインの味わいの世界までもが見えるようになります。 No.5 ドルチェット Dolcetto
![]() ![]() ![]() ■ ドルチェット・ダルバ ■ ドルチェット・ディ・ディアーノ・ダルバ ■ ドルチェット・ディ・ドリアーニ ■ ドルチェット・デッレ・ランゲ・モンレガレージ ■ ドルチェット・ダスティ ■ ドルチェット・ダックイ ■ ドルチェット・ドヴァーダ ◎「ワイン用葡萄ガイド」(ジャンシス・ロビンソン著)からの抜粋 北西イタリアのピエモンテ州クーネオとアレッサンドリアでほぼ独占的に栽培され、早期に成熟する酸の少ない葡萄品種。この品種から作られるワインは柔らかく、フルーティーでリコリスやアーモンドの香りを持つ。地元で飲まれる日常用のワインである。大変は造られてから2〜3年で消費すべきワインである。 威厳のあるネッビオーロより4週間早く成熟するため、ドルチェットはピエモンテの最も偉大な葡萄ネッビオーロに不向きな高地や北向きの栽培地でも育つ。 例えば高く評価されているバローロ及びバルバレスコ地帯では、ネッビオーロが確実に成熟するには海抜が高すぎる場所でない限り、南向きの土地に植えられることは稀である。 またドリアーニ、ディアーノ・ダルバ、オヴァーダといった地帯では、他の葡萄品種が全く成熟しないところに植えられている。 最高級のドルチェットの大半が造られるドルチェット・ダルバ地帯の栽培者は皆、この品種がターナロ川右岸特有の白いマール(石灰岩と年度が混じった土壌)を好み、それより重たい土壌では最大限の結果は得られないという点で一致している。 菌によって生じる病気に感染しやすいとか、9月下旬の寒い麻に房を落とすといった傾向を別にすれば、比較的栽培しやすいが、この品種は非常に醸造しにくい。バルベーラと比べて酸度が低いのでピエモンテの人々の味覚には”ドルチェ”(甘い)だが、ドルチェット顕著なタンニンを含み、ワイン生産者は短期間の発酵でその度合を調節している。 この品種の果皮は色素を多く含むので(しばしば多量の沈殿物を生じる)、最も短期間の発酵でさえ、出来上がるワインの紫色を帯びた濃いルビー色を和らげることは滅多にない。 ◎ヴィーテ・イタリア高岡的見解 「ドルチェット」・・・・なんて耳に心地よい響きでしょう! イタリア語で「ドルチェ」が「甘い」という意味というのは 知ってる人も多いかもしれない。近年はイタリア料理の普及で 「甘いお菓子」という意味が日本に定着したようです。 ラ・ドルチェ・ヴィータ → フェデリコ・フェッリーニの傑作「甘い生活」 僕にとっては、なんと言ってもこれが「ドルチェ」との出会い。 そして語尾に「エット」をつけると「少し、チョッピリ、小さな」という ニュアンスが加わる。 例えば音楽なら「ラルゴ」に対して「ラルゲット」など。 料理なら、そう「スパゲッティ」、「スパーゴ」=ひも、が小さく(細く) なった形。最後が I (アイ)で終わるのは、複数形だから。 スパゲッティは一本だけ食べないでしょ? ドルチェット=ちょっぴり甘い 「いや、甘いワインは飲まないんだ」 そう言われたことがある。でも違うんです。 ドルチェットには二つの意味があります。 一つはブドウ品種としてのドルチェット。 もう一つはワインとしてのドルチェット。 ブドウ品種としてのドルチェットは、少し前まで民放で活躍している女子アナで その容姿とキャラクターが地元で大人気。その評判が大手テレビ局に伝わって メジャーデビューを果たした、そんなイメージだ。 ワインとしてのドルチェットは彼女を主体に製作されるTV番組、ということです。 でも彼女は地元を愛しているので地元から出て 仕事をしようとは思っていない。時々やむを得ずメジャー系テレビにも出演するけど あくまでバイプレーヤー的存在。方言を話すので視聴者には賛否両論、いろんな 番組に引っ張りだこ、とはいかない。 変なたとえ。でも、ブドウは女子アナで、ワインが番組、 TV局は生産地域、メジャーテレビ局は国と思えばなんとなく 分かりません? 彼女が関西テレビのアナならその番組は「ドルチェット・ダルバ」だろう。 かなりメジャーな存在のワイン。 彼女がびわ湖テレビのアナなら「ドルチェット・ディ・オヴァーダ」 ほとんど地元の人しかしらないワイン。 「じゃー、甘いと何の関係があるんだよ!」 よくぞ聞いてくださいました。 これはドルチェットのワインが持つ味わいに起因しています。 先程ちょっと触れたように、ドルチェットと名の付くのワインは ほぼ例外なく辛口なんです。 「酸が比較的少ないのでアルコールからくる甘みを とても感じやすい、そんなドルチェットの性格を表した名前です」 ピエモンテのバローロの代表生産者であるルチアーノ・サンドローネさん が昔、そう僕に説明してくれました。 ピエモンテに行って、何気なく入るトラットリアなどで 「赤ワイン」と注文するとカラフェに入って出てくるのも ドルチェット。 これがまた美味しい! ローマ生活していた頃の僕は、何気なく入るトラットリアのバルクワイン (瓶詰めされないワイン)が美味しい、という事実は相当の驚きでした。 ローマの、そういうレベルのワインは本当に素晴らしく ひどいワインでしたから(笑)。 「オオ!さすがはイタリア屈指のワイン産地!! ヤッポ〜!ピエモンテ大好き!!」 そう絶叫したものです。 しかし、変なものです。 昨日「酸とタンニンが少ないから甘く感じる」 だからドルチェットという名前が付いた、と説明された話しを しましたが、実際にドルチェットを飲んでみると、 「おいおい、どこに甘みがあるんだ?全然普通の辛口じゃん!」 と、思ってしまいますね。これを読んでいるドルチェットオタクの方(いないと思う・笑) も初めて飲まれた時は、そう思ったんじゃないでしょうか。 これは僕の確信的な予想ですが、これはピエモンテ人独特のユーモア、 そうでなければ純朴な味覚がそう命名させたのだと思います。 つまり、その他のピエモンテの代表的な品種「ネッビオーロ」も「バルベーラ」も ほとんど限界に近いような酸を持ったブドウで、そのワインもかなり しゅっぺえワインだということです。(しゅっぺえ=酸っぱい) 今でこそ、アルコールと酸とのバランスはかなり取れていますが それでも酸が、ネッビオーロの場合は酸とタンニンが、味の重厚な旋律に なっていることは事実ですし、過去のワインは、今からは想像しがたいほどに 酸っぱかったはずです。 そしてこの2つの品種は生産量としては圧倒的にバルベーラが 質としては圧倒的にネッビオーロがその地位を保っていましたから それらに比べて、ドルチェットが「優しい」「甘い」味わいをピエモンテ人に もたらしたのは、至極自然だったように思われます。 そんなピエモンテ人の感覚がこのブドウを「ドルチェット」=”ちょっぴり甘い”と 命名したのではないでしょうか。 ※発酵途中のドルチェットのテイスティング模様について興味のある 人はコチラをご覧下さい。僕はドルチェットによってできたてのワインの 「酸」の強烈さを初めて知りました・・・。 さて、ドルチェットはピエモンテで7つのDOCを持っています。 同じ地域でこれほどまでにたくさんのDOCを持っている品種は他にありえない でしょう。 このことだけでも現地の栽培農家からあらゆる意味でいかに愛されてきた 葡萄品種であるかが分かります。ネッビオーロの好まない畑でスクスクと育って くれて、しかもネッビオーロやバルベーラよりも早く育って、しかも若飲みタイプとして とてもチャーミングな味わいを持っている。 名前自体がその味わいを表してしまう珍しい品種です(^^)。 7つのDOCです。 ![]() 右から ■ ドルチェット・ディ・オヴァーダ ■ ドルチェット・ダックイ ■ ドルチェット・ダスティ ■ ドルチェット・ディ・ディアーノ・ダルバ ■ ドルチェット・ダルバ ■ ドルチェット・ディ・ドリアーニ ■ ドルチェット・デッレ・ランゲ・モンレガレージ ------------------------------------------------------------- ■ ドルチェット・ディ・オヴァーダ編 ドルチェット・ドヴァーダ レ・オリーヴェ ジュゼッペ・ラットほとんどドルチェットの神様のような生産者ですね。味わいの奥行き、香りの 複雑さ・・・それでいてドルチェットらしいチャーミングさといささかも矛盾しない ボディー感。とっても良いです! ドルチェット・ドヴァーダ リ・スカルシ ジュゼッペ・ラット同じ生産者のすぐれたドルチェットです。またエチケットが垢抜けないですねぇ(笑) 僕はこのワインにとてもクリーンでフレッシュな「いちじく」を感じてハッとしたことが あります。 ドルチェット・ドヴァーダ トリオンゼ ジュゼッペ・ラットドルチェット・ドヴァーダの権化たる生産者ですね。このトリオンゼの驚きは 味わいが抜栓後に衰えないこと、むしろ2,3日後から素晴らしい複雑な味わいを 見せることです。ショッピングで売り切れてたら取り寄せることが出来るかも知れ ませんので、ヴィーテ・イタリアまでご一報を。 コチラ ■ ドルチェット・ダルバ編 ドルチェット・ダルバ 01 コルデーロ・ディ・モンテゼーモロシンプルなドルチェットの性格を直線的に綺麗に出したワインだと思います。 ダルバらしく骨太でタンニンもしっかりと感じることが出来ます。飲み応えもある し飲み易さも兼ね備えたコストパフォーマンスの高いワインです。 ドルチェット・ダルバ 03 ブルーノ・ジャコーザ大御所ともいえるランゲ地方を代表する生産者。スタイルはコテコテの伝統。 昔ながらの素朴な味わいでありながら、ボディーのバランスやハーモニーは さすが!通好みのドルチェットではないでしょうか。 ドルチェット・ダルバ 99 エリオ・アルターレ「エリオ・アルターレ」の名前にビビッと来た?是非一度試してみるべきです。 ピエモンテ地方における改革者の旗手です。モダンなワインを造ることにかけて はもう天才ですね。果実味がはじけます。そしてランゲらしさもきっちりと出るのは やはり「テロワール」を信じているからでしょう。 ドルチェット・ダルバ 01 アルド・コンテルノ ドルチェット・ダルバ 96 アルド・コンテルノエリオ・アルターレ、ドメニコ・クレリコがワインの「果実」を前面に出す造り手 であるならば、アルド・コンテルノにはある種の「引き」が感じられます。パワフル さを象徴する果実というよりは、エレガントさを引き出す酸とタンニンの力が あります。この辺りの飲み比べると面白いですよ! ドルチェット・ダルバ 02 ジャンニ・ヴォエルツィオああ、これも良いワインだ!!果実味とポリフェノールから来る香味の凝縮が たまらんですね。一言で言えば「優美」。なんのためらいもなく試されるといいと 思います(笑) ドルチェット・ダルバ 97 ジャコモ・コンテルノジャコモ・コンテルノはピエモンテにおける「伝統派」の大御所的存在です。 ブルーノ・ジャコーザよりももっと「厳格」なワインの造り手です。アルド・コンテルノ の本家とも言うべき頑固系生産者(笑)この「伝統派」も数十年前は改革者で あったというのもワイン作りのめまぐるしい動きを物語ってます。 ■ ドルチェット・ディ・ドリアーニ編 ドルチェット・ディ・ドリアーニ 01 サン・フェレオーロドルチェットらしいドルチェットです。いわゆる香りに発酵したての「発酵香」が絢爛と あって、中程度のボディ。でも最初から最後までコンパクトにまとまった本当に かわいいドルチェットだと思います。 ランゲ・ドルチェット 01 カ・ヴィオラガンベロロッソ誌の最高賞「トレビッキエーリ」を獲得したワイン。実は僕、飲んだ ことありません(^^;) でも、ドルチェットでこの賞を取るのは難しいんです。よほどの 質感がなければ大体はバルベーラやネッビオーロにやられてしまいます。そういう 意味では拍手!パチパチパチ!! ドルチェット・ディ・ドリアーニ ヴィーニャ・デイ・プレーティ 99 フランチェスコ・ボスキスドルチェットの濃厚さを余すところなく表現したワインです。 このパワー、ポテンシャル!ん〜〜、このワインを飲むとドルチェットの里は アルバではなく、ドリアーニであることが分かります(^^;) ドルチェット・ディ・ドリアーニ イ・フィラーリ 97 エイナウディドリアーニ地区、ドルチェットの大御所と僕は呼んでいます。 このイ・フィラーリほどドルチェットの潜在能力を引き出し、霊感的な魅力を引き出した ワインはないのではないでしょうか。絶対に試してください。素晴らしいです! ■ ランゲ・ドルチェット系 ランゲ・ドルチェット 01 ドメニコ・クレリコ「ドメニコ・クレリコ」の名前にドキッとした?(笑)しなくても試すべきです! エリオ・アルターレと時期を同じくしてピエモンテに旋風を巻き起こしたパイオニア の一人と目されています。「ダルバ」より生産地区が広がりますが「ランゲ」の 名前は、「バローロ」と「バルバレスコ」の里そのものですので、やはり果実味と 甘み、そして骨格のきっちりしたボディーが特徴になります!これも試すべし! ブリッコ・デル・ドラーゴ 98 ポデーリ・コッラムフフフ・・・。これは面白いワインです。ネッビオーロとドルチェットのブレンド。 この掛け合わせは、今でこそ珍しくないのですがこのブリッコ・デル・ドラーゴは 60年代後半から存在していた先駆者ですね。 トップへ ネッビオーロ アリアニコ サンジョヴェーゼ バルベーラ ドルチェット モンテプルチャーノ ガルガーネガ ヴェルディッキオ モスカート・ビアンコ プロセッコ ヴェルメンティーノ Copyright(c) 2005 Vite Italia. 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