![]() イタリア土着ブドウ列伝 イタリアの代表的葡萄から超ローカルな土着葡萄まで、ご紹介していき ます。葡萄品種の特質を知ることによって、その土地の風景から、その 生産者の思い、ワインの味わいの世界までもが見えるようになります。 No.2 アリアニコ aglianico
アリアニコ種 レ・クエルチェ社のクローンごとの実験栽培とアリアニコ・デル・ヴルトゥレの畑
◎「ワイン用葡萄ガイド」(ジャンシス・ロビンソン著)からの抜粋 カンパーニア地方のアヴェッリーノとベネヴェントの山地、バジリカータ地方の ポテンツァとマテーラ地区が主な産地。発芽の早いこの品種は広域に植えられ カラブリア、プーリア、ナポリの近くのプローチダ島で見ることが出来る。 火山性の土壌を好み、カンパーニア地方のタウラージ地区と、バジリカータの アリアニコ・デル・ヴルトゥレ地区で育つものが最も優れたワインとなる。 この二つのワインはどちらも濃いルビー色で、香りが高く濃厚で強いフレーヴァーを もち、限られた数量しか確認できていないが、イタリアで最も優れたワインの一つに なる可能性を秘めている。 イタリアにおけるこの品種の総栽培面積は1991年に14000haに達した。 ◎ヴィーテ・イタリア高岡的見解 ジャンシス・ロビンソンが述べているようにアリアニコ種のワインとして イタリアを代表するのは間違いなくタウラージDOCGとアリアニコ・デル・ ヴルトゥレDOCと言っていいでしょう。 たしかにモリーゼ州ではマーヨ・ノランテ社が素敵なアリアニコを生産しています し、プーリアにもリヴェーラ社など力強いアリアニコが存在しますが、相対的に レベルの高いワイナリーが複数存在するのはタウラージとアリアニコ・デル・ ヴルトゥレ以外ないでしょう。 タウラージについては、「南のバローロ」という言い方も存在するらしい ですが、バートン・アンダーソンによると「バローロの高貴さには程遠い」 と一蹴された形になってます(^^;)。⇒「イタリア・ワイン」 ネッビオーロ種で、その酸とタンニンの威力について述べましたが南イタリアの 葡萄品種としてこの酸とタンニンの力を併せ持つ葡萄は僕の中ではアリアニコ 以外に見当たりません。 南イタリアは太陽の力が強く、葡萄がよく熟れ、その結果アルコール度の しっかりとした、酸の比較的柔らかなワインが出来やすく、ワインのレベル 的に上のものを作り上げるためには酸やタンニンの力がどうしても必要 なのです。 酸のしっかりとしたワインを造るためなら単純に熟れないうちに早めに 収穫すれば良い話だと思われるかも知れません。 でも早く収穫すると酸はしっかりと出せますが、ワインとしてとても重要な タンニンや香りの要素ををしっかりと葡萄の果皮に溜め込むことができな いのです。 そういう意味で素材としてのポテンシャル=アリアニコ種の潜在能力が やはりものを言う、ということになってきます。 ここで二つの代表銘柄について比較してみましょう。
まあ、イタリアのワイン法ですので、とても低いレベルの法規定です。 それも格上のタウラージが他の葡萄品種を混ぜてもOK、品質に決定的な 影響を与える収穫量でも格下のDOCと同じというのもどうかと思います(^^;)。 それでもタウラージが「南の王」として君臨できるのは、やはり熟成期間の長さ から来る複雑で芳醇な香りでしょう。 また標高の比較的高い山地が生産地なので、寒暖の差がきっちりとあります。 ですので、非常に良い果実味がワインにもたらされます。 (現地の生産者曰く「アヴェッリーノはフランスのアルザスと気候的に似ている」!) プラムやチェリーの果実味がきっちりと出ていて、それがしっかりと余韻まで 持続する・・・これが良いタウラージの条件でもあるでしょう。 酸やタンニンもとてもエレガントで木目細やか、アルコールとのバランスが 優れていることもタウラージたるゆえんです。 一方アリアニコ・デル・ヴルトゥレは、熟成期間がタウラージほど長くありません ので、その分フルーティーさが出るワインということが出来ます。 バローロとバルバレスコの関係に似ています。 良質のアリアニコ・デル・ヴルトゥレは、イタリア赤ワインの最良の部分と 言っても過言ではないと思います。 僕なりに面白いと思う部分は、やはり酸とタンニンが人間によって コントロールしきれていないところです(笑)。ネッビオーロ同様に しゅっぺぇ〜〜!! シッッブゥ〜〜!! の世界に浸れるワインがまだ多いです。 これが南イタリアワインなのですから喜びも一入です それがまたアリアニコ種の素晴らしさではないかと思います。 ジャンシス・ロビンソンはもう数十年前にアリアニコが「イタリアで最も優れた ワインになる可能性がある」と言っていますが、今のアリアニコなら「世界でも 屈指のワインが出来る」と僕は思いますし、アリアニコ種の良質のクローンを 如何にセレクトしていくかが今後の課題となっています。 今のままでいて欲しい!という気持ちもあります アリアニコ・デル・ヴルトゥレ ロッソ・ディ・コスタンツァ レ・クエルチェ社の「ヴィニャ・デッラ・コローナ」とともにアリアニコの最も洗練された 形がここに表現されていると思います。色、香りの華やかさと深さ、そして骨格(酸&タンニン)の 強靭さとアルコールとのまとまり具合。コスタンツァもコローナもまだまだ飲み頃は先だ。 僕のレ・クエルチェ社訪問記を読む! タウラージ・ラディージ・カンパーニア州のワインを考える上で常にその銘柄の味わいの基準点になるのが マストロベラルディーノ社のワインだと思う。タウラージの味わいに初めて感動したのは このラディーチのタンニンの美しさのためだった。伝統派の大御所たる風格がある。その 他のワイナリーのものはいささか古い味わいには背を向けたかのように果実味の凝縮感に 走りすぎているように思う。まずは、このラディーチを味わって欲しい! アリアニコ・コンタド カンパーニア州の東、プーリア州の北に位置するモリーゼ州のワインで、イタリア屈指の醸造家 リッカルド・コタレッラ氏の作品。土着のブドウを低価格でしかも質的に高く!というノランテ社の ポリシーがひしひしと伝わってくる良品です。果実味、凝縮感、熟成感、そしてモダン性・・・どれを とっても上手くまとまっています。 トップへ ネッビオーロ アリアニコ サンジョヴェーゼ バルベーラ ドルチェット モンテプルチャーノ ガルガーネガ ヴェルディッキオ モスカート・ビアンコ |