イタリア土着ブドウ列伝
 
 イタリアの代表的葡萄から超ローカルな土着葡萄まで、ご紹介していき
 ます。葡萄品種の特質を知ることによって、その土地の風景から、その
 生産者の思い、ワインの味わいの世界までもが見えるようになります。




  No.1   ネッビオーロ Nebbiolo



   ネッビオーロ             バルバレスコの畑

同義語 ネビオーロ、ネッビオーロ・デル・ピエモンテ、
ネッビオーロ・ディ・カレーマ、ネビエウル、ネビエウ、
スパンナ(ゲンメ、ガッティナーラなど北ピエモンテ地方の呼び名) 
ピコテネル(ヴァッレ・ダオスタでの呼び名)
キャヴェンナスカ(ロンバルディア北部ソンドリオのヴァルテッリーナ地区の呼び名)
歴史 文献に最初に登場するのが14世紀。名前の由来は”ネッビア =霧”。
ブドウの表皮が大量の”蝋粉(ろうふん)”に覆われて霧のように見えること、または晩熟でその収穫時期が秋の霧の季節に行われるから、という説がある。最も古い説では、”ノービレ=高貴な”が語源で「ふくよかで逞しく、甘い」ワインになるブドウ品種、とある。
特徴 葉の大きさは中ぐらいから少し大きめ。その形は五角形で丸みがあって三裂葉。毛状体のない暗緑色の葉。
房は中ぐらいから少し大きめでピラミッドが伸びた形。幅が広く、
少し粒と粒が詰まっている。とても横広がりになる時がある。
粒は中ぐらいの大きさで丸いが楕円になる傾向がある。
皮は薄いがとても強く、暗い紫色、たくさんの蝋粉が付着するので
灰色っぽく見える。
活力 中から強
生産性 一定しない
成熟 晩熟 10月の中旬から終わりごろ収穫


◎「ワイン用葡萄ガイド」(ジャンシス・ロビンソン著)からの抜粋

世界的に屈指の長命ワインを造る偉大な、そして畑の立地に敏感な
葡萄品種。

若いときはタンニンや酸が強いが、瓶の中で年月を経るとタールから
スミレやバニラに至る幅広いブーケを持つ世界で最も誘惑的な香りの
するワインとなる。

原産地のピエモンテの中でさえ、ネッビオーロの栽培はほんの
僅かな選ばれた地域に限定され、ピエモンテのワイン総生産量の
3%を超すことは稀で、例えばバルベーラの生産量のほんの一握
りにしか過ぎない量である。

常に遅く成熟し、収穫は10月の半ばをはるかに過ぎるまで続き、
南から南西に向いている丘の中腹で存分に陽光を浴びる。

極めて気難しい葡萄品種で、バルバレスコとバローロのそれぞれ
タナロ川右岸のアルバと北と南の石灰質の泥灰土壌だけで最も
良い結果を生む。


◎ヴィーテ・イタリア高岡的見解

バローロやバルバレスコなどのネッビオーロのワインに触れるとき、
人は「ワインの本質」「ワイン真髄」にようやくたどり着くことが出来る、
という気がします。


確かにわかりにくいワインだと思います。

例えば、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、テンプラニーリョ、
サンジョヴェーゼ、そしてネッビオーロの同じぐらいのレベルのワイン
をプロではないテイスターが比較テイスティングしたとして
もっとも低く評価されるのは間違いなくネッビオーロだと思う。

なぜか。

それは、とっても簡単。

色が薄い。

香りがフルーティーじゃない。

味が酸っぱくて渋くて、薄い感じがする・・・・・。


誰もがこう言ってネッビオーロを一蹴します。
(何度となく僕はこういうシーンに出くわしましたし、かく言う僕も最初は
 「わからん!」と嫌ってました(^^;)

ネッビオーロワインの本質に触れるためにはワインテイスティングを
ある程度学ぶ必要があると思います。


香りや、酸、タンニンといったワインだけが持っているもっともエレガント
で面白い側面を真摯に学ぼうという姿勢からしかネッビオーロワインを
評価することは難しいと思います。

それだけ明るい笑顔でこちらに爽やかに話しかけてくれるワイン
ではない、ということですね。


ネッビオーロワインの代表格バローロが「王」、バルバレスコが「女王」
と呼ばれる所以ですね。

こう言って僕はいつもネッビオーロを擁護します(^^;)。



でも、ネッビオーロワインは逆に言えばとても簡単なワインかもしれません。


つまり、酸とタンニンを愛しさえすればいい!


強烈な酸、歯ぐきを締め付けるようなタンニン・・・・これをひたすら愛せば
ネッビオーロワインは、あなたに近づいてきます。香りの素晴らしさが
急に「わかって」きます。酸とタンニンを抱きしめたい!という思い
じわじわと湧いてきます。

この香りを永遠に慈しんでいたい!!という幸せな思いに
包まれます。



ネッビオーロを愛す、というのは酸をしっかりと意識して舌の上で
じっくりと感じること、歯ぐきにグチュグチュと触れさせてタンニンの
威力を思い知ること。口に含んだときの香味をじっくりとキャッチして
みること。

「うぇ〜〜スッパァー!!」
「シッブゥ〜〜!!」
 だけで済まさないで、他の言葉を発してください。

酸の強さだけじゃなく質にも集中してください。アルコールや旨味
との結びつきはどうですか?この酸こそがワイン全体の背骨になって
味わいを引っ張っている印象を持ちませんか?

タンニンの強さだけじゃなく、細やかさ、粗さ、密度、丸み、尖り
また酸とのバランス、アルコールの甘みとの一体感はどうでしょうか?

このタンニンがワインの「奥行き」になって立体的でふくよかで
おおらかなイメージを与えませんか?



こういう思いでテイスティングしていくとこの刺激がだんだんとたまらなく
好きになってきます。

この興奮はワインだけ、それもネッビオーロにだけ許された興奮
です・・・・これを感じないともったいない!!あなたにはその特権が
与えられています。



少々ストイックな印象を与えたかも知れませんが、ネッビオーロとは
そういうワインであるような気がします。


つまり、あまりワイワイ、ガヤガヤの中で「適当に」飲まれるワイン
じゃない。


ピエモンテの葡萄耕作人のようにとてもまじめな深い愛情を持って
接するワインだと、僕は感じています。



◎ネッビオーロワインの主な銘柄

 バローロ
 バルバレスコ
 ネッビオーロ・ダルバ
 ランゲ ネッビオーロ
 ロエロ・ロッソ

ピエモンテ南東部
(クネオ県ランゲ地方)

 ガッティナーラ
 ゲンメ
 ブラマテッラ
 ボーカ
 ファーラ
 シッツァーノ
 レッソーナ

ピエモンテ北部
(ノヴァーラ、ヴェルチェッリ県))
ヴァルテッリーナ

ロンバルディア地図
(ソンドリオ県)



 バローロの樽倉庫  大体2mぐらいの高さがあります




オススメしたいネッビオーロワインは以下の通り
(写真をクリックするとショッピングもできます)



※ 
ネッビオーロ・ダルバ編 
 
 ⇒ 「バローロ」がワインの王、「バルバレスコ」がワインの女王だとしたらネッビ
     オーロ・ダルバは「プリンス=王子」。熟成期間が短いので(1年)
     ネッビオーロのシンプルな味わいが楽しめます。


ネッビオーロ・ダルバ[1997]750ml ピオ・チェーザレ ネッビオーロ・ダルバ
 
 ピオ・チェーザレ社

 スタンダード&古典派ならこれ!!
 古典派ピオ・チェーザレのネッビオーロ。

 
色も薄く、一見軽いタイプ、飲んでみても???・・・典型的なネッビオーロの
 輪郭が良く分かるワインだと思います。しっかりと口の中でワインを慈しめば
 酸やタンニンの力強さ、そのボディーの強靭さをうかがい知ることが出来ます。
 熟成感もほどほどに出ていて、気軽に楽しめるネッビオーロだと思います。


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ネッビオーロ・ダルバ ヴァルマッジォーレ [2001] サンドローネ   ガンベロ2ビッキエーリ... ネッビオーロ・ダルバ ヴァルマッジョーレ2001 サンドローネ



 ルチアーノ・サンドローネ社

 ネッビオーロのパワーがわかる!
 
1995年にこのワインと出合った頃は、正直酸っぱくて飲めたものじゃなかった(笑)
 今は樽熟成もしっかりかけて、果実味も豊かになっています。ネッビオーロ・ダルバ
 DOCのカテゴリーでは最高峰ですね。酸やタンニンのツッパリは健在。この骨格こそ
 ワインのエレガントさである!とこのワインを飲んで実感していただきたいですね。


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Nebbiolo d'Alba 0cchettiネッビオロ・ダルバ・オケッテイ2000 ネッビオーロ・ダルバ オッケッティ 2000


 プルノット社

 熟成と果実のバランスが秀逸!
 
1989年にトスカーナのアンティノーリに買収され、95年から完全にアンティノーリが
 ワイン作りをも掌握していますが、そのワインの質は全く衰えるばかりか評価を上げて
 います。アンティノーリはさすがです。樽使いが上手いんですよね。果実味と
 スパイシーさ、そしてミネラルの関係性はランゲの香りを強く漂わせています。
 非常に洗練されたネッビオーロ・ダルバ だと思います。


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ネッビオーロ・ダルバ ヴァル・ディ・プレティ[2001] マッテオ・コレッジア ネッビオーロ・ダルバ ヴァル・ディ・プレーティ 2001

 マッテオ・コレッジャ社


 モダンでエレガント、そして力強さ!
 評価的には一番高いネッビオーロ・ダルバです。もっともモダンなスタイル
 いっても良いでしょう。果実味の凝縮、ネッビオーロらしいタンニンと酸の
 屹立。「厳格なワイン」と呼ばれるネッビオーロの現代にアダプトした最良の
 形でしょう。
 

 


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