ヴィーテ・イタリア的ワインテイスティングの極意 2


ワインは「起承転結」のストーリーである!



「ワインはストーリー」なんて書くと、ワイナリーの歴史やそのワイン誕生の秘話
を想像されるかも知れませんが、そうではありません。

もっと簡単なこと。

単純にワインテイスティングを表した言葉です。



あたなはワインを飲むときどんな風に飲みますか?

ドボドボッとナミナミ注いで、ゴクゴクッて飲みますか?

少なめにグラスに注いで、グラスの淵でゆっくり混ぜて香りを楽しんで、口に注ぎますか?


口に注いでからはどうしてますか?

そのまま胃袋にストレートに流し込む?

口の中でゆっくりと愛撫しながら、時には歯磨きのグチュグチュみたいなことをしたり、
口に含んだままで空気を吸い込んで口の中に立ち込める香りを楽しんだりする?





いずれの飲み方にせよ、あなたはワインのストーリーを体験し、
その時間の流れを生きているわけです。

(「何をバカな!」って言わないでもうちょっと読んでね!(^^)





ワインのストーリーというのは、


目 → 鼻 → 口 → 余韻
という「起承転結」なんです。


目鼻口余韻についてはどこのワイン本でもいろんなメディアでも語られています。

目(視覚検査) → 色、透明度、粘着度
鼻(嗅覚検査) → 香り強度、余韻、質、描写
口(味覚検査) → 糖度、アルコール、酸、タンニンなど・・・
余韻 → 持続性、質、全体的考察

とっても大切なところですが、それだけではワインの面白さが半分です!


なぜか?

それは、目と鼻の間、鼻と口の間、口と余韻の間が語られることがないからです。

この4つの段階を分断してしまっては、あなたとワインとの間に
生まれる大切な対話がなくなってしまいます!

つまり、目、鼻、口、余韻のそれぞれの描写は、モノローグ(独話)

それぞれの間に存在しているのは、ダイアローグ(対話)なのです。

ワインはこの4つの要素がすべて絡み合ったストーリーと考えるべきで、
このモノローグ(独り言)とダイアローグ(対話)の相乗効果なのです。


え?またわかりにくい?



つまり、目でワインとあなたの中にストーリーが始まる(起)

そして、目で起こったことが鼻で発展する
(承)

鼻で感じたことが、口で衝撃的な何かを生む
(転)

その衝撃のエッセンスを余韻でまとめる
(結)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


まだ、わかりにくい?

では、シンプルな例を挙げましょう。



ここに一本の白ワインがグラスに注がれています。





あなたは先ず見つめる。

色は濃い、とっても濃い。しっかりとした麦わら色から黄金色のニュアンスが出ている。

で、ここですぐに香りに移ってはいけない。この色から香りを予想してみる。
ワインはあなた要求するのは、単に描写することだけではなく、次のストーリーの局面
「鼻=承」について想像することです。


「色が濃いから、香りも濃いだろうなぁ。おそらくフルーティーな香りだろう。
あ、でも黄金色の色合いもあるから、フム!樽熟成させてた
ナッツやバニラ系の香りもあるかもしれないな」

と言う具合に。

ここが目と鼻の間、境目であり僕がダイアローグと名づけた領域です。
つまりワインの視覚的な語り掛け(「問い」といっても
良いかもしれません)に対してあなたが答えているわけです。


そしてグラスを鼻に近づける・・・




香りは、トロピカルフルーツ、バナナやパイナップルの香りが絢爛と出ている。
樽香らしきヘーゼルナッツの香りも。そしてちょっぴり砂や土のような香りもある。

あなたの最初の予想はあたりましたか?

「色が濃いから甘いフルーツが前面に出ている樽熟ワインだと思ったけど、単純にそれだけ
じゃなくってミネラルな感じもある!畑の土の感じが良く出ているワインだなぁ!」

と、こんな具合に、あなたの予想に対する楽しい反省、
「小さなブラインドテイスティング」(当てっこ)も楽しめる!

そしてすぐ次の「味わい=転」を想像。これも「小さな当てっこ」を楽しむためであり、
鼻と口の間、境界の領域になる。

「甘さと樽熟感のある香りにミネラル香、だったら味わいは酸がまろやかで、
肉厚なタイプかな。ちょっぴり塩気も感じるタイプだろうか・・・」

そしてすかさず、口にワインを注ぐ

酸がキリッとしていて、わずかに塩気も感じる。そしてアルコール感も
きっちりあるがバランスはまだ酸に傾いている・・・・。

ここでまた反省。

「あれ?酸がもっと丸く感じてもよさそうなものだけど、随分と若い感じだなぁ。
尖っている。目、鼻で感じた印象とちょっと違うなぁ・・・・・」

と思わぬ展開に、ちょっぴりドキッ!

「思わぬ展開」というのは、目→鼻の展開で完全に柔らかな酸を想像できたのに
思ったより酸が尖っていた、ということです。

「酸が尖っていた」というのはワインの若さを示す言葉で、目→鼻の展開では
考えられなかったこと。つまり目→鼻まで順調に一定の質感を保っていた
流れが、口に来て違った展開になった。

人によってはそれを「デクレッシェンド」と言うでしょう。

もし味わいがこの上なくまろやか、かつ重厚感さえ感じさせるものであれば
「クレッシェンド」とも形容できたストーリー展開です。

そして余韻。
酸を含んだ心地よいフルーツ香がとても長く余韻に残る。
そして、鼻で感じたヘーゼルナッツやバニラの香りもじわじわと鼻に立ち返ってくる。

心地よい香りが余韻にも長く持続するのはやはり素晴らしいワインです。
このワインのストーリーは良いラストシーンを迎えた、と言えます。








お分かりいただけたでしょうか?


「じゃ、テイスティングの事、よく知ってないと、こんな予想できないじゃないか!」
って思われます?


その通りです。でも「よく知ってないと」というのはちょっと違うかもしれない。
テイスティングについてちょっぴり勉強して、何度か経験するとすぐに
頭に入ることです。だから、あまり堅苦しく考えて欲しくないし、第一
知ることをめんどくさがっちゃ、ワインに親しむ資格なし!だと思います。

あなた自身の快楽のためです。

知ることは楽しいこと!と了解しましょう!!


それに何も、ブドウ品種や土壌や気候などの領域に入った「マニアック」な話ではない。

あなたの感性に関する領域です。

いっしょに、ちょっぴり勉強してみましょう!ワインテイスティングについて!
これを知れば、どんな飲み物だって、どんな食品にだって応用できる。

あなたの素晴らしい感性を発見するために必要なスキルです。







ワインは起承転結のストーリーである。

これをちょっぴり頭において、さぁ!ワインテイスティングを学ぼう!!





え?ワインがストーリーなら主人公は誰かって?


もちろん ブドウちゃんです!

 
イタリアの王   ネッビオーロちゃん!!