自分磨きのワイン術  その24


   余韻を慈しむ


 さて、ワインテイスティングはワインを飲み込めば、もうそれで終わりで
 しょうか。


  ゴックン!   ア〜〜美味しかった!


  ゴックン!   ワッ! マッズゥ〜〜!


 確かに、そうした印象を今まで味わったことは誰でもあるはずです。

 で、普通はそこでそのワインについて、またはお料理でもいいんで
 すけど、その「刺激」に対して、それで終わってしまうんですね。

 「味わう」ということの緊張感がゴックンを境に解けちゃうんです。

 でも、本来のワイン的世界は、それで終わりではありません!

 ここからまだ続くのが、非常にワイン的な世界の一端といえる
 のではないでしょうか。つまり・・・


    余韻を楽しむ


 ということです。

 誰もが「余韻にひたった」経験があるでしょう?

 映画を見た後の余韻・・・・あ〜面白かったぁ!

 コンサートを終えた時の余韻・・・・良かったなぁ〜!

 勉強し終えた後の余韻・・・・よ〜し!がんばったぞ!

 お風呂の余韻・・・・ッフ〜〜、ほっこり・・・

セックスの余韻・・・・・・・・・z z z z z z z



・・・・・・・・(^^;)


 でも、ワインの余韻はそんな「雰囲気」的なものでは
 ありません。

 「あ〜おいしかったねぇ!」「うん、とってもおいしかった!」

 という余韻の楽しみ方ではないです。
 (もちろん、そうした楽しみはとっても大切で
 楽しいものですよね!勝手に楽しめばいいんです!)


 ワインテイスティングの中の余韻は主に2つあります。

 もう一度繰り返しますが、これはゴックンした後の感覚です。
 (「アフター」という言い方をよくします)

 1. 味覚刺激の何がどんな風にどれだけ持続するか。

    → 酸、タンニン(苦味)、甘、塩の4要素のうち何が
     どれだけの間感じられるか。

 2. 香りがどんな風にどれだけ持続するか

  → 口の中から鼻の裏側に立ち上る香り


 なんじゃそれ?(^^;)


 って思ってません?

 「わけわからん!」
 みたいな・・・・・・。


 でもね、ここんとこすごく大切です!
 特に「自分磨き」をワインテイスティングを通してやりたい!
 と思っているあなたにとっては絶対見逃すことのできない点です。

 なぜか?

 それは、今まで細かいところにこだわって解説してきたのと
 同じ次元ですが、要は、ワインの個性を理解する上で
 欠かせない、という理由です。

 だから、それだけ余韻の残り方、感じ方にも色んなヴァリエーション
 がワインにはある。

 そこに集中することによってあなたの感性もヴァリエーション豊かに
 育っていくのです。


 例えば・・・・


 色でも、香りでも、味わいでもイマイチあなたにとって説得力の
 なかったワインが余韻になって、妙に魅力的に感じられるとき
 があります。

 逆に、それまでとっても素晴らしいと感じていたワインが
 余韻になって、「コケタ」ってこともありうる。

 また、色→香り→味わいのトーンが余韻になっても持続して
 とても「一貫性」のある印象を与えたとしたらそのワインは
 徹頭徹尾あなたにとってハーモニーのあるワインでしょう。
  ↓
 (ワインの「調和」については後日触れます)


 なんで、こんなことになるんでしょう。

 考えられるのは、ワインが口の中に入ったことに
 よって温度的な変化があるということ。

 体温によってワインは温められているわけですから当然
 それによる化学変化が口の中で起こっている。その変化した
 ワインが飲み込まれると、そのアルコール、グリセリンによって
 口の中なら喉元まで、ちょうどグラスに伝わる粘性の涙の
 ように、べったり残ることになりますよね。

 それが僕たちの官能を刺激しているわけです。

 では、温度が上がるといことはどういうことでしょうか。

 味わいの4要素でみると・・・・


 甘い・・・・強く感じられる

 塩・・・・・強く感じられる
 
 苦い・・・・弱く感じられる

 すっぱい・・・弱く感じられる



 アイスクリームって冷たいと甘さが出ないのでたっぷり甘味料を
 使います(^^;)

 味覚の中心的要素である「塩」は温かい料理のほうがしっかり
 と感じられます。


 例えば、スパイシーな料理の代表カレーなんかは冷たいと
 苦味を強く感じます。

 サラダとかマリネとかのすっぱい料理は冷たくして酸が際立つ
 ようにします。

 この4つの要素は、もちろん相関関係にあるので料理によって
 または感じたい味わいによってどのくらいの温度で食するかも
 調整できますよね。


 で、これをワインに当てはめて考えると・・・・

 アルコール感のしっかりしたワインは、口の中で温度が
 上がりますからその甘みを口の中で感じやすいです。
 だから、余韻に甘みがしっかり残ります。

 酸のしっかりしたワインは、口の中の要素を洗い流す傾向
 がありますが、強すぎると余韻に長く感じられます。それでも
 温度が高まるにつれて鋭さはなくなっていきます。
 
 タンニンのしっかりしたワインは(タンニンとは苦味要素なので)
 口の中では比較的丸く感じられます。これがアルコールの
 甘みや香りと一体化することによって心地よい「ほろ苦さ」を
生んだりします。


 余韻の残り方のパターンをいくつか示してみましょうか。

 A 味わい全体がサッと消えてなくなった

 B 酸味ばかりが際立って持続した

 C 酸と甘みがバランスよく持続した

 D 酸が感じられなく甘みばかりが持続した

 もちろん
 A〜Dの間に色んなヴァリエーションがありますし
 またその持続する時間も数秒から何十秒まで
 様々でしょう。


 (実際に測るソムリエもいます(^^;)


 これらのパターンにとっても深くかかわってしかもワインの
 「心地よさ」「快楽」に不可欠なのが最初に述べた


        香りの持続性


 でしょう。

 余韻に残る香りも、当然温度や口の中に残る味わい
 の要素の影響を受けています。

 香りは温度が上がると沢山感じることができるように
 なりますが、これも味わいの要素と無関係ではない
 です。

 フルーティーさというのは主に甘みと酸味の関係ですよね。

 だから余韻では、温度が上がって甘さを沢山感じるように
 なって酸は比較的柔らかな印象になります。

 もちろん甘みの一要素としてのアルコールが高くなければ
 甘みをそれだけ感じませんから酸をビシバシ感じることを
 あるでしょう。

 グラスからは少しすっぱいりんごのような香りが感じられた
 のが、余韻ではほんのり甘みを感じた、というパターンは
 比較的多いです。

 また熟成香といわれるスパイシーな香りも余韻で絢爛と
 開いてくる場合も多いです。

 「あれ?苦味は冷たい方が強く感じるんじゃないの?」

 と突っ込まれそうですが、これはあくまで「香り」としての
 余韻ですし、スパイシーな香りって苦味一辺倒じゃ
 なくて、「甘み」も含まれています。

 ということで、明らかにグラスで嗅いだ香りとはちょっと
 表情を変えて現れるのが余韻の香りですね。

 だからそれを楽しまない手はない!

 「うぉ〜〜、あんなにフルーティーだったワインが
 スパイシーに変身したぞ!!」

 「ウッヒョウ!!なんなのこの艶かしいほろ苦さは!!」

 「オ!口の中がさっぱり洗われて柑橘系の香りが
 ほのかに残るぞ!!」

 「な、なんじゃ?!!びしばしタンニンが残って
 こんなもん飲めたモンじゃないぞぉ!!」

 「オラ!オラ!!オラ!!!キ、キタ!キタ!!
 キタゼェ〜〜!!!」
 (意味不明)

 
 などなど、余韻はとっても 良いん です (ー0−;)


 今後、何度も繰り返していくことになると思いますが
 余韻はテイスティングの重要な一要素として特に
 全体像を評価するうえでもとっても大切になりますので
 次のことは最低限、意識するようにしましょう。

 1. 酸やタンニン=骨格要素を長く感じるか

 2. 甘みやアルコール=筋肉要素を長く感じるか

 3. 両者をともにバランスよく感じるか

 4. 香りが持続するか、すぐなくなるか


 これらを目→鼻→口の流れの中に位置づけすること
 によってワインの全体像がはっきりしてきます。
 (次回からしっかり解説しましょう!)


 そこにあなた自身の好みを加えて味わっていけば
 そのワインの良し悪しの判断がぐっと簡単になるんじゃ
 ないでしょうか。


 ところで今、グラス持ってます?

 ワインじゃなくてもいいかも、例えばコーヒーとか、ジュース
 とか、なんでも当てはめられます。

 ハイ、ゴックン!

 さあ、余韻を感じて見ましょう!!!!



 ということで、余韻についてのご質問はいつものとおり
info@viteitalia.com まで遠慮なくネ!


 
 じゃ、また