自分磨きのワイン術  その14


  ついに酸を打ち抜く!

◆ 口の中の酸  そのパワー

 このメルマガの最初の方で、僕、かなり辛らつなことを言ったんです。


 甘いお菓子なりケーキなりを口にしながら


 「わぁ〜甘くて美味しいね!!」


 というような事をのたまう人は、まだまだ味覚の感性が幼稚だ!と。


 ほっといてくれ!といわれそうですね(^^;)


 つまり、ワインをテイスティングするときは、甘さよりも「酸」を
 意識してテイスティングすると格段にテイスティング能力が上がって
 いく、とも言いました。

 そして、「酸を捉える」をテーマに 目 → 鼻 → 口 と段階を
 踏んできました。


 あ〜! ようやくその酸にたどり着けましたね!!

 あなたは、ゴルゴ13?、ダーティーハリー?、マクラーレン刑事?
 はたまた桑畑三十郎?

 そう、目でワインの酸を捉え、鼻で狙いを定め、今まさにあなたは
 引き金を引いて、その酸を打ち抜くときが来たわけです。


 さて、その打ち抜き方ですが、「強さ」と「質」を「時間」ごとに感じ
 とることが大切です。

 ワインの酸の強さを二つの時間で表現してみると・・・・

※その1  ミクロの時間 (ワインを口に入れた瞬間から
               飲み込んで余韻を楽しむ時間)

    E |
       |
    D |
 強   |
    C |  ----------------------→ (すいません!
 さ    |                斜め線が描けません(笑)
    B |
     |  
    A |
        |--------------------------------
       アタック  時間   アフター



 ※ アタックはワインを口に入れた瞬間
   アフターは飲み込んだ後  アタックから飲み込むまでの時間は
   だいたい3〜5秒ぐらいにしましょう。舌全体に染み渡らせる
   ことが大切です。(第12号を参考にしてください!コチラ

 A を一番 弱い酸、C を一番強い酸のレベルとして
 あなたの今飲んでいるワインはどんなベクトルを描くでしょうか。

 A であれば、弱い感じ  → 唾液がほとんど出ません

 C  であれば、まろやかな感じ → 唾液はすこし出ます

 E であれば、「あ!すっぱ〜!」という感じ → もうビショビショです!

 時間と共に実況中継しますと、


パターン1  デクレッシェンドタイプ

 アタック   「わぁ〜すっぱ〜!」
 だんだん  「あ、ちょっとマシになった・・・」
 アフター   「おお、意外に酸っぱく感じない!」


 パターン2   一定タイプ

 アタック  「わ、すごくまろやか!」
 だんだん 「あ、まだまだ、まろやか!」
 アフター  「おおお!まろやか!」


 パターン3   クレッシェンドタイプ

 アタック  「わ、まろやか!」
 だんだん 「あれ、ジワジワスッパさが〜!」
 アフター 「うぉ〜〜、メッチャ酸っぱくなった!」

 からなず、この3パターンに分かれるはずです。これだけでも
 あなたは、ワインの個性を一つ発見した事になります。

 以上は、ワインが口にふくまれてから飲み込んだ後までの
 数秒間の感じ方の違いを追いかけたもの、ミクロの時間帯です。

 次は、マクロです。

 ※マクロの時間(ボトルを開けてから、グラスに注いでワインが空気に
          触れている時間)



      |
    E |  クレッシェンドとデクレッシェンドが描け
      |  ないこと、ご容赦ください!
 強   |
    C |  ----------------------→ 
 さ    |                      
      |  少なくとも3種類のベクトルが
   A |  あります。
      |
        | --------------------------------
       抜栓    →     5分〜10分〜20分



 できれば、ワインを飲むとき二つのグラスを用意して、ミクロの
 時間とマクロの時間用に楽しまれると面白くなります。

 マクロでは香りの変化、そして今後触れていくいろんな
 味わい要素の変化を楽しむことができるでしょう。

 経験を多少重ねていくうちに理解できるようになりますが

 ボディーの小さなワインならクレシェンドのパターン3、

 ボディーのしっかりとしたワインならデクレッシェンドのパターン1

 になってくる可能性が大です。→このあたり後日「まとめ」
                   でくわしくやりましょう!



 ここで押さえておきたい大切なことが大きく2つ。




 1.ミクロの時間帯で感じる酸が尖った酸なのか
  丸い酸なのかを見極めること


   唾液の出方を注意深く感じることが大切です。

    強く感じても「丸い」、反対に弱く感じても
   「尖った」印象のワインももちろんあります!


 2.その酸があなたにとって心地よく感じるか
   そうでないか。


   「わぁ!綺麗な酸!」
   「この酸、おいしい!!」



 そういう風に感じられたら、それだけであなたとそのワインは
 幸せな出会いをしたのではないかと思います。


 ただ、飲むワインによっては、その酸を

   「別に!」
 
   「?」

   「マッズ〜!」

  みたいに感じられるかもしれません。

 「慣れ」も多少ありますし・・・。



 ただ、 「別に!」「マッズ〜」と感じたとしても、ここで「ダメなワイン」
 と決めつけないことです。← これとっても大切!

 なぜなら、その酸には、マクロの時間帯であなたへのアプローチを
 変貌させる可能性が残っているのですから!

   そのワインにチャンスを与えてください!!

 もしかしたら、この5分から〜10分ぐらいの時間で酸を変貌させて
 味わい全体を「別モン」に変える可能性すら秘めています!

 あ、あれ!?さっきと全然違うじゃん!!

 っていきなり関東弁になる必要はありませんが、「目からウロコ」
 ほどに変貌してしまうワインさえあるのです。

 この変貌の度合い、次元、形・・・・が偉大なワインの「芸術性」
 でもあります。

 安い、貧弱なワインにこの変貌は期待できません。

 なぜワインは、酸のみならず色んな要素を時間と共に変貌
 させるか?

 簡単にいうと、ワインは生きているわけで、酸素と共に変化して
 その構成要素を酢に近づけていく。

 ワインは、果汁と酢の間なんです。この了解はとっても大切
 ですよ!


 最近、某社の「セパージュ」というワインを飲みました。おそらく
 スーパーで500円ぐらいのものでしょうか。

 あからさまに「しっかりとした酸=レベルD」が感じられるのですが
  まったく変貌しませんでした。


 「オイ!ちょっとぐらい変われよ!」


 って思えるくらい・・・(笑)。

 そしてその酸の質も、ちょっぴり尖っていて、他の味わいの要素
 (アルコールやグリセリンなど)との結びつきが感じられませんでした。

 完全に「浮いた」感じの酸。

 身体で表現するなら、骨と筋肉とがギクシャクしてる・・・。
 または、ガリガリにやせた印象。

 また口の中のフルーティーさがほとんど皆無・・・。



 ところが、昨日、イタリアの「ガヴィ」というワインを頂きました。

 このワインもあからさまに「しっかりとした酸=レベルD以上」が感じられるの
 ですが、酸が最初から美味しいんです。

 これは、他の要素との結びつきや香りが口の中で豊かに感じられた
 からでしょう。

 そしてミクロの時間帯でも、最後までレベルD〜Eなのですが、それでも
 やや D の穏やかな酸に近くなりました。

 そしてその酸が余韻でツ〜〜と引いて来る間に、鼻にナッツやフルーツ
 の香りがフワッと生まれてくるんです。


 「あ!エレガント!」


 ハッとするようなとても素敵な出会いでした。

 このワイン、大体¥1500ぐらいです。

 おそらく「自分磨きのワイン術!」を駆使せずにグビグビ飲んで
 いると、なんでもないただの酸っぱいワインで終わってしまったかもしれ
 ないワインです。



 このガヴィ、3分の1ぐらい飲んでバッキュバンしておきましたので
 (ゴム栓でボトル中の空気を外に出して、ワインの参加を防ぐ)
 今日はすこしまろやかになっているでしょう。

 そう、ワインを飲んでいる時間帯はおそらく20分〜2時間ぐらいの
 ものですが、次の日に飲んでみて、その味わいの変化を楽しむのも
 とっても面白いですよ!


 「ワインってその日のうちに飲まないといけないんですか?」


 という質問を頻繁に受けますが、返答に困ります。

 多少、違和感すら感じます。

 なぜかというと、答えは「ワインに依る」わけですし、「どれだけ
 ボトルにワインが残っているかに依る」わけですから。

 また酸を中心にしたワインの変貌について、全く知らなければ
 次の日に残しておく価値はあんまりないでしょうし・・・・「あなたの
 味わい方に依る」わけです。




 さて、まとめ!!

 1.酸は、「強さ」(弱い→スッパ〜!)と「質」(尖っている→丸い)
  をミクロとマクロレベルで感じ取る。

   ミクロ → 口の中にふくんでいる時間帯〜余韻

          そのワインの酸のポテンシャルを理解する。

   マクロ → 抜栓してグラスに注いでからの時間
          次の日でも可(ワインによるけど・・・)
 
          そのワインの酸の変化を認識し楽しむ。

 2.それが心地よい酸なのか、そうでないのか?
   もし心地よければそれはなぜ心地良いのか?をミクロレベル
   マクロレベルで理解する。




 今日は「酸」をレクチャーする事によって、味わい全体に通じる
 とっても大切なことを表現したように思います。

 つまり、「ワインは常に変化し続ける」ということ。

 ボトルの中では超緩やかに、グラスの中では急激に・・・・。

 その了解なしに、ワインを楽しむのはあまりにももったいなすぎる
 し、知性がなさすぎるし、ワインというものを侮りすぎている、
 という気がしました。

 もちろん、「セパージュ」レベルでこんなことを真剣にやっても
 始まらないのですが・・・、それでもまずは偏見を持たずに

 「セパージュ」という超大量生産ワインについて、ミクロとマクロに
 ついて理解しようとする気概も大切だと思います。

 このワインはなぜ¥500しかしないのか?

 このワインはなぜ¥1580なのか?

 このワインはなぜ¥6000なのか?

 このワインはなぜ¥100000なのか?

 その価値を計るのはあなたの舌、感性でしかありません。


 「高いワインは美味しいんですか?」
 「ワインは次の日飲んでも大丈夫ですか?」


 みたいな質問はどこか変だ!!

 そんなことも「自分磨き」読者のあなたには伝わってくれるといいな、と思います。


 さて、今回は如何でしたか?

 質問、ご意見はいつもの通り
 info@viteitalia.com
 まで、遠慮なしでね!!

 次回は、この酸について、もうすこし話をふくらませて奥深く
 具体的に感じるようにお話ししますね!(^^)