自分磨きのワイン術!  No.12


 より深くワインを味わうための
 3つのテクニック
 
前号より、ワインはようやく口の中に進入しました!
 
そして、口の中で感じるワインを「ボディー」として表し、感覚に訴える
ワインを
 
骨格の部分 → 酸、 タンニン、 塩
 
筋肉の部分 → 残留糖分、 アルコール、 なめらかさ
 
という風に分けてみました。
 
この事に自覚的になる事によって、ワインは初めて「ボディー」として生々しい
現実味を持ってあなたの感覚をいろんなニュアンスで刺激してくるはずです。
 
 
フフ・・・・ワインの「ボディー=身体」としっかり戯れてね!!
 
 
では、今回からは、骨の部分から丁寧にその味覚要素を解説していき
ましょう!!
 
 
あ、でも、ちょっと待って!
 
 
目と鼻同様に口についても、テイスティングの基本的な動作を簡単に
解説するのを忘れていました。
 
これが「自分磨き」購読者の間で一定していないとテイスティングの
意味がなくなっちゃいますからきっちりと説明させてくださいね・・・。


 ★ ボディーの触れ方
 
 
ワインを口に含む量は、人それぞれでしょうが、だいたい15〜20ccって
とこでしょうか。
 
大さじ一杯が15ccなので、大きなカレー用スプーンに一杯強が
ワインを口に含む量です。
 
もちろんもっと多く含むことも可能でしょうし、逆に少なくすることも可能
でしょう。
 
でも、大切なのは、口蓋、舌全体にワインを空気に触れさせながら循環させ
られる量でなければならいないということです。
 
 
それから口に含んだワインをすぐにゴックンするのはご法度です!!
 
舌の上で転がしてください。
 
そう、昔「牛乳は噛んで飲みなさい!」って言われませんでした?
 
あれといっしょです。時間をかけます。
 
 
モグモグと口の中でワインを前後に上下に、歯ぐきへと循環させます。
 
この時にしっかりと口の中でワインちゃんをモミモミしてくださいね!
 
できれば、シ〜ッという口をして歯と歯の間から、または、ウ〜〜〜という
ふうに口を尖らせた形にしてワインを口からこぼさないように、また、むせて鼻から
出さないように空気を触れ合わせます。
 
 
う〜〜、このあたり、言葉で説明するのは難しいなぁ・・・・。
 
 
では、もう一度手順をまとめましょう!
 
 
1. 口の中に注ぐワインの量は大きなスプーンに一杯強
 
2. すぐに飲みこまないで、舌の上でワインを前後、左右に
   に循環させます。要するに舌の全体に染み渡らせるように
   することです。
 
3. それから口の先端、前歯の前にもワインを持っていき
   歯ぐきにも染み渡らせるようにします。そうそう、あの歯磨きの
   グチュグチュと同じ事をするのです
 
「え!うそ!!」
 
という声が聞こえてきそうですが、ホントです(^^)。
 
先に進みます。
 
4. この段階でワインの味わいが口全体に染み渡ったでしょう。
   でも、まだ飲み込まないでね!
 
   次に、顔を少し下向き加減にして、口を尖らせ、ワインを
   こぼさないように、空気を吸い上げます。
 
   ジュルジュルって、ちょっと汚い音がするかもしれませんが
   気にしない!気にしない!!
 
   口の開き具合によっては、口笛が鳴るから試してみて!!(^^;)
 
 
 
と、ここまでやったら、ワインを飲み込んでください!!
 
 
ああ!! でも、まだ終わりじゃないですよ!!
 
 
5. 飲み終えた後、ワインを咀嚼するように、そう、ちょっと舌で
   ピチャピチャと音を立てるように、ワインをかみしめてください。
   行儀の悪いガキのようですが、飲み終わった後の舌の感覚
   をはっきりと自覚してください。
 
 
 
ご苦労様です!これで、終わりです。
 
 
 
「ああ、なんて煩わしいの?!」
 
と、お嘆きのあなた。それは、ひとつひとつの動作の意味を理解して
いないから、そう思うだけなんじゃないでしょうか。
 
 
「なあんだ、ただカッコつけて、通ぶってるだけじゃないか!」って。
 
 
でも、それは大間違い!!
 
 
今日から悔い改めてください!!
 
 
ひとつひとつの動作にふか〜いわけがあるんです!!
 
それを理解すれば、いままで何気なくワインを飲んできたことを
後悔しますよ。
 
 
 
では、上述した味わい方の意味を一つ一つ解説していきましょう!
 
 
1.口に含む量
 
  2〜4の段階を無理なくこなすための適量でしょう。
  普通に飲む量と、さほど変わりないのではないでしょうか。
 
2.舌の上を循環させる
 
  味ってどこで感じているのでしょう?
 
  もちろん舌の上ですよね。味をしっかりと感じるためには
  舌の上に散りばめられた味蕾(みらい)という、味を脳が知覚する入り口
  を通過させなければなりません。
 
  で、ご存知ように味というのは、甘、塩、苦、酸、の4つと触覚や
  香りなどの全体を総称していますが、この甘、塩、苦、酸を
  感じる場所が舌の上に散りばめられています。
 
  個人差はありますが、
 
 
  甘 →  舌の先端
 
  塩 →  舌の縁、後ろ側
 
  酸 →  舌の縁、前側
 
  苦 →  舌の奥
 
  
  つまり、何も考えないで、ワインをすぐに飲み込んでしまうと
  この4つの要素を平等に扱う事にならないんですね。
 
  ゴクッと飲んじゃうと、おそらく舌の先や、淵の方はほとんど
  素通り状態になっちゃうでしょう?
 
  例えば「酸っぱいワイン」と感じられたら、ワインを舌の先端に
  集めてみてください。
 
  甘みを感じる場所がワインの甘みを引き出してくれて   
  スッパさとのバランスができてきます。
 
  逆にちょっと甘ったるいな、と感じるワインなら、舌の酸を
  感じる場所に集めてみてください。
 
  舌がワインの酸を感じ取ってくれて、甘さとのバランスができ
  あがります。
 
  これ、ウソじゃないですよ!!(^^)
 
  とにかくやってみてください!
 
  ワインを舌の先端に集めたときと後ろの方に集めたときでは
  味わいが変わります。
 
  一度試してみて、レポート提出してください!(笑)
 
 
  ただ、最初は不慣れなので、ちょっと分かりにくいかもしれないです。
 
  でも、繰り返していくと、「お、なるほど!」と思えるときが来るはずです。
 
  このあたりは、また折に触れて繰り返しお伝えしていきますね!
 
 
3. 歯ぐきでグチュグチュ
 
 
  これは主に、赤ワインのテイスティングで大いに役立ちます!!
 
  また後日、詳しくやりますが、赤ワインにはタンニンという
  「渋み」成分が潜んでいます。
 
  グチュグチュやって歯ぐきによく染み渡らせると、このタンニン分を
  しっかりと捉えることができます。
 
  そして、このタンニンが多いのか、少ないのか、タンニンの質が
  尖っているのか、柔らかいのか、密なのか、粗いのか・・・など
  を探っていけるのです。
 
  これもまた、2回ほど後の号でくわしく触れましょう!!
 
4. 口の中でワインと空気をヒュルヒュルッと触れさせる
 
  すいません・・・・このヒュルヒュルという音は僕が個人的に
  感じる擬音なので、あなたの感覚とはずれるかもしれません。
 
  ジュルジュル
 
  ズーズー
 
  ヒューヒュー
 
 
  いろんな擬音が可能ですが、要は、空気を吸い上げてワインと
  触れるときに立つ音ですね。
 
  で、この状態をよく考えてみてください。
 
 
  口の中に入ったワインは、体温によって急激に温度を上げられます。
 
  そして空気とアグレッシブに触れさせられます。
 
 
  つまり、温度を上げて、空気に触れたワインは、今まで感じたどの
  段階のワインよりも香りが立っている状態です。
 
  そうでしょ?
 
  グラスから香ってくる香りは、単にワインが酸素と触れる事によって
  揮発した香りです。
 
  この口の中で無理やり立たせる香りは、酸素にプラスして温度も
  加えられていますから、良きにつけ悪しきにつけ、香りが爆発的に
  拡がるわけです。
 
  で、面白い事に、香りというのは、鼻の外からだけ感じられるもの
  じゃないですよね?
 
  わかります?
 
 
  口の中でも香りは感じるでしょ?
 
 
  と、いうか、嗅覚を駆使しない日常生活においては、口の中から
  感じられる食べ物の香りの方が常に感じているはずです。
 
  例えば、リンゴの香りにしても、リンゴを食べるとき鼻をリンゴに
  近づける人はほとんどいないと思います。
 
  では、どこで、リンゴの香りを知覚するかというと、口の中ですよね。
 
  要するに、口の中で咀嚼して拡がる香りを、いわば鼻の裏側から
  知覚しているわけです。
 
  だから、ワインをヒュルヒュルと空気に触れさせながら、空気を
  吸い込んだ後、口の中で香りを溜めた空気を鼻から出すとき
  に、その香りを楽しむのです。
 
  そこには、ワインが持つ様々な香りが含まれています。
 
  時には、あまり好ましくない香りもあるかもしれません。
 
  でも、より複雑味のある香りが楽しめるときがあります。
 
  特に、熟成型ワインの余韻を楽しめるようなワインの場合に、ね。
 
  以上のように、口の中でワインと空気を触れさせる行為には
  大きな理由があるのです。
 
  単なる、「ツウぶり」でないことは明らかです!!
 
 
5. 余韻をかみしめる
 
  ああ、なんて大切なことをワインは僕たちに教えてくれるのでしょうか!!
 
  ワインは飲み込んでそれで終わり、ではないんですネ!
 
  先ほどは「ピチャピチャ」という擬音を使用しましたが、おそらくピチャピチャ
  と、他人に聞こえないぐらいの音をたてて、舌の上で味わいを再確認
  するようにかみしめるといいですね。
 
  これは、舌の味蕾に染みこんだワインを最後の最後まで
  慈しむ行為です。
 
  慈しむと言うと、さすがにセンチメンタルな感じですが、慈しむ
  ことは、吟味するということです。
 
  最後の残り方=余韻の出方によってさえ、ワインはいくつもの
  引き出しに分けることができます。
 
  ワインに感じられる余韻だけでも一冊の本が出来上がって
  しまうぐらい、余韻の楽しみはヴァラエティーに富んでいます!
 
  酸と甘みが同時になが〜く続く心地良い深みのある
  余韻のワインもあれば、酸だけが長く残って、いつまでも
  唾液を分泌させるようなワインがあったり・・・。
 
  この余韻についてもまたしっかりと触れなければいけませんが
  今日のところはサラリと流しておきましょう。
 
  目、鼻、口と三段階、プラス余韻、という風に考えても良いくらい
  余韻は大切です。
 
  心に留めて、ワインテイスティングしてください!!
 
 
ということで、ボディーについて語る前に、今日は口の中にワインを
入れたときの要領について解説いたしました。
 
ご質問のある方、遠慮なくメールくださいね!!