エッセイ&テイスティングノート
2004年11月



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・INDEX・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.基礎編トスカーナの赤、飲み比べ(京大会館)
2.北から南のメルロー、飲み比べ(大阪アッズーロ)
3.トスカーナ料理とトスカーナワイン(大津ヴェルサーレ)
4.南イタリア 食の祭典(京都プリンチペッサ)
5.アンティノーリの通訳!(大阪スッド・ポンテヴェッキオ)
6.基礎編カンパーニャとラツィオの白、飲み比べ(京大会館)
7.ファナティック!!ついに「スーパートスカーナ」!
8.京都プリンチペッサのランチ
9.ヴェネトのマクラン社、ポーリ社のテイスティングセミナー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



il 26 novembre 2003
1.基礎編トスカーナの赤、飲み比べ(京大会館)

南イタリアから中部までを前回まで3回にわたってテイスティングして
きたましたが、今回から非常にディープな世界・・・つまりはイタリア
ワインの最も注目度の高い赤ワインをテイスティングしていきます。

南から順々に北上してきたからその気候による味わいの微妙な
変化も感じてもらえるのではないでしょうか。そしてワインの持つ
エレガンツァ(優美さ)と高貴さの源が”酸”であることが分かって
くるのではないでしょうか・・・。

もちろんエレガンツァの正体は人それぞれで良いと思います。
もしかしたらアルコールの厚みこそエレガンツァだと思う人もいる
でしょうし、赤ワインで言えば単に”渋み”がエレガンツァだと認
識することも可能です。

それでもあえて言うと”酸”こそがワインのアイデンティティであり、
そこにエレガンツァ、嗜好の最高点を見出すのは至極”正しい”
ワインのテイスターだということになるでしょう。

とにかくサンジョヴェーゼの世界です。
多少ステロタイプ的にフランスワインとあえて並べて考えるなら
サンジョヴェーゼはボルドーのカベルネ系の葡萄、ボルドー地方が
イタリアではトスカーナ地方と言うことが出来るかもしれません。

なぜならトスカーナの代表地域キャンティ・クラッシコを始めとして
サンジョヴェーゼをカナイオーロ種という土着葡萄と混ぜてワインを
造る伝統があったこと。そしてサンジョヴェーゼのクローンセレクシ
ョンがある程度進歩した現在でもボルドー葡萄と混醸されるタイプが
実に多い。

そしてこのブレンドタイプやフランス葡萄100%のワイン(それを主に
”スーパータスカン”と言います)が跋扈する事によってキャンティなど
の伝統地域も目覚め、世界に冠たる醸造地方に成長したのがトスカ
ーナと言えるでしょう。

まあこれは日記なのであまり深くは立ち入らない事にして・・・。

テイスティングワインは4本。サンジョヴェーゼ100%のタイプを現代
スタイルと伝統スタイルから一本ずつ。そしてシラー100%、カベルネ、
サンジョヴェーゼ混醸タイプを一本ずつ揃えました。

vini          全体 コメント
@トスカーナIGT
イル・ヴェスコヴォ
2001

ルイージ・ダレッサンドロ社
アレッツォ県コルトーナ
:11/14

濃い紫
濃縮感あり


:3/4  
透明感
:2/2
計:16/20
強度: 3/5
何の香り
発酵香
ざくろ、黒スグリ
湿った土
ミネラル

10/15
好感度:8/10
計:21/30
ボディ:6.8/8
バランス:6/7
余韻:8/10
好感度:9/10




計:29.8/35
   
調和:9/10
進化状況:4.5/5


計:13.5/15 

総得点:80.3/100

   
苦味と甘みが非常に凝縮した形で刻印されている。シラーらしさ十二分に伝わる。        
AトスカーナIGT
レ・ヴォルテ
2001

オルネッライア社
リヴォルノ県
ボルゲリ
:11/14

濃いルビー
わずかにオレ
ンジの反射

:3.5/4  
透明感
:2/2
計:16.5/20
強度:3.8/5
何の香り

ドライプラム
カシス
黒胡椒、鉄、塩

10/15
好感度:8.5/10
計:22.3/30
ボディ:7/8
バランス:5.8/7
余韻:9/10
好感度:8/10




計:29.8/35
調和:9/10
進化状況:4/5



計:13/15

総得点:81.6/100
サンジョヴェーゼらしさがカベルネによってソフトになって洗練された印象に。
Bキャンティ・クラッシコDOCG
ブローリオ
2000

リカーソリ社
シエナ県
ガイオーレ・イン・キャンティ
:10/14

Aとほぼ同じ
やや薄い


:3.5/4  
透明感
:2/2
計:15.5/20
強度:3.5/5
何の香り

熟れたプラム
チェリージャム
シナモン
ミネラル、ヴァニラ
11/15
好感度:8.5/10
計:23/30
ボディ:7./8
バランス:6/7
余韻:9/10
好感度:9/10

塩気はっきり


計:31/35
調和:9.5/10
進化状況:4/5



計:13.5/15

総得点:83/100
サンジョヴェーゼの「ツッパリ」(?)を果実味の凝縮感と熟成感で洗練に転化しているのが素晴らしい!!
Cロッソ・ディ・モンタルチーノDOC
1999

コル・ドルチャ社
シエナ県
モンタルチーノ
:9/14

ルビー
オレンジ
ほとんどガー
ネット


:3.5/4  
透明感
:2/2
計:14.5/20
強度:3/5
何の香り

ミネラル「ごはん
ですよ!」
土、インク
ドライフルーツ

10/15
好感度:8/10
計:21/30
ボディ:7/8
バランス:6.5/7
余韻:8.5/10
好感度:9/10




計:31/35
調和:10/10
進化状況:4.5/5



計: 14.5/15

総得点:81/100
BCの対照的な感じは土壌と醸造の違いが如実に現れたということだろう。果実味、凝縮感を全面に出さないからこそ、それが優美さになる。


il 22 novembre 2003
大阪でのテイスティング
2.北から南のメルロー、飲み比べ(大阪アッズーロ)

実は、開催地のイタリア料理「アズーロ」さんは11月3日を持って
閉店されていたのですが、上田オーナーとお友達のお客様(この
大阪の会の発起人的な方です)A氏の計らいで、11月も場所を
お借りできる事になった。

で、すでに店じまいしたアズーロにA氏とともに到着して、場所の
セッティングをしようとすると電気が通ってない!!東京におい
での上田オーナーに電話で聞いたら「おそらく建物のオーナーが
切ってしまったのでは」と言うことで、実に困ってしまった。急遽
場所を変えるのにしてももうスタート1時間前、完全に遅すぎる・・・・・。

ラッキーだったのはアズーロさんには中庭があったこと、肥後橋に
あるお店だから回りは高層ビルばかり(新しい東レのビルが見えた)
塀に囲まれているとはいえ、中々大阪らしい空間だが、雑草が生え
ていて、ちょっと見てくれが悪い。

A氏に除草作業を手伝ってもらい、椅子テーブルをセッティングして、
ようやくなんとか形だけは整えたが、いかんせん3時からという時間を
想定すると、終わる5時ごろはもう暗くなるだろうし、第一寒い!!

地下にあるトイレにも行けないのじゃ、会は開催できないでしょ。
今回お集まりの5人のうち3人は女性だから、この寒さもちょっときつ
いなあ・・・と心配していた。

次に到着したYさんがまず機転を利かせてローソクを購入してくれて、
何とかスタート。

以下は、ワインのラインナップとそのときの寒そうな様子です。皆さん、
本当に優しくって「中々味わえない雰囲気ですね!」って、嫌な顔一つ
せずよく最後までお付き合いくださいました、本当にありがとうございます!!

ワインは、ちょっと適温より低かったと思います。冷たく感じましたもんね・・・・。
メルローの特徴である「アルコール感の厚み」が伝わりにくかった・・・。

        
@トレンティーノ・メルロー
DOC リセルヴァ 1998
 
Aコッリ・ベーリチ・メルロー
DOC 2001
Bマーニョ・メゴーニオ
Iヴァル・ディ・ネート IGT
(これはカモフラージュ)
Cマッサイオ
トスカーナIGT
Dメルロー
シチリア IGT
高層ビルの麓で
「まるでニューヨークみたい・・・」



 il 16 novembre 2003

 地中海料理「ヴェルサーレ」におけるランチセミナー
  「料理とワインで巡るイタリア都市シリーズ”フィレンツェ”」

3.トスカーナ料理とトスカーナワイン(大津ヴェルサーレ)

 これで2回目の会になるが、実は9日に行う予定が常連の方が都合
で集まらず、他の方の承諾を得て一週間延期した次第。勿論人数的に
少なかったからと言うコチラの都合もあったので、ご迷惑をおかけした方
には心よりお詫び申し上げます。

 フィレンツェはヴェルサーレシェフの加藤さんが修行を積まれた場所と
言うことで料理にも力が入っています。一つ一つの素材に非常に丁寧に
接してられる様子がひしひしと伝わってきますし、スタッフだけの試食の
際に出した料理にまた新たなエッセンスを加えて本番に臨まれた姿は
本当に「職人気質」を感じさせる方です。とてもriservato・・つまり控えめ
な方なので厨房から出てこられることがないのですが、”質”と”個性”を
重んじる店であればシェフがどんどんと外に出てこられる展開が望ましい
のではないかと僕は思います。頑張れ加藤さん!!

 さて、前半はフィレンツェ=トスカーナ料理の特徴とトスカーナワ
インの解説及びテイスティング



 
Vernaccia di San Gimignano DOCG
Abvinea Doni 2001
Falchini
ヴェルナッチャの中でも秀逸なワインだと思います。
熟れたりんごの香りがはっきりと伝わってきますし、
かといってバリックの出すぎた感じもほとんどありません。
ヴェルナッチャ種の特徴は?と聞かれると僕は困るの
ですが、ファルキーニのこれを一つの基準点と考えると、
フルーティーさ(生産者ごとに出し方にヴァラエティーが
ある)と、酸のバランス(きっちり出ています)、そして後味
の苦味、あるいは少しセメダインにも似た香りでしょうか。
まだ一般化しにくいワインではないでしょうか・・・・DOCGのくせに。
Chianti DOCG 2002
Ricasoli
僕、このキャンティ気に入りました。だって、サンジョヴェ
ーゼらしいプラムとフローラルな香りがちゃんと出過ぎ
ない程度にあって味わいもまとまりあるし。
特徴的なものが自己主張し過ぎない程度でしかもマイ
ナスもないといったところが良い。
Chianti classico DOCG
Brolio 2001
Ricasoli
もっとも安定感のある、そして今のキャンティ・クラッシコの
質の上昇を伝える上で欠かすことの出来ないワインでしょう。
フルーツ、スパイス、ミネラル、樽、すべての要素がテロワ
ールと言う概念の中でバランスよく収まっています。キャン
ティ・ノーマルとクラッシコの違いをストレートに伝えるための
比較テイスティングでしたが割りと良いセレクションだったと自画自賛!!

 後半は、ランチとの相性で楽しみました。今回より、相性のコメント、イタリア話に花を咲かしていただけるよう僕もランチに加わりました。

生ハムとイチジク、鶏レバーのパテ、
サルシッチャ・トスカーナ風
Vernaccia di San Gimignano DOCG 特に生ハムとは抜群の相性でした。
イチジクと生ハムだけでも完成された逸品だと思いますが、
両者の甘みがヴェルナッチャの酸、果実味、樽香によって
膨らみが与えられます。
パッパルデッレのラグーソース”スコティッリア” Chianti DOCG キャンティはパスタよりもむしろレバーパテやサルシッチャに
あっていました。ソースに香りの複雑さがあるのでそれにワイ
ンの香りがついていっていない印象です。むしろ香りに複雑さの
あるクラッシコの方がフルーティーさによってソースを引き立たせていました。
若鶏のキャンティ煮込み Chianti classico DOCG 鶏のシンプルな味わいにはヴェルナッチャでしょう。しかしソースの
スパイシーな感じにはクラッシコ。全体的にもクラッシコが合いま
した。料理の持っている甘みと塩気、苦味、そして香味、このあたり
とワインの酸を基調としたボディーは黄金のコンビと言ったところでしょうか。
デザートの盛り合わせ デザートでデザートワインが出るとこのシリーズはパーフェクトに
なります。なんとか頑張りたいと思います。


 il 14 novembre 2003
 

 リストランテ・プリンチペッサにおけるテイスティングディナー
4.南イタリア 食の祭典(京都プリンチペッサ)

 
南イタリアということで宣伝したのですが、僕にとっての南イタリアの
主人公はルカーニア地方と言う事になります。これはヴィーテ・イタリ
アの紀行で2度訪問して、現在の活動のモチヴェーションの主軸とな
っているからです。

その気持ちのあり方を僭越ながら配布した資料の挨拶文として掲載
しましたので、抜粋します。

 このディナーを企画するに当たり、そのモチヴェーシ
ョンの源泉となっているのが、
6月と9月に訪れたマテー
ラでの体験です。

特に初めてマテーラに一週間滞在した時に得た感覚は今後
の僕の活動を牽引していくであろう強いものでした。
“感動”というとメディアに頻繁に出てくる言葉なので
胡散臭い?「感動をありがとう!ほな、さいなら」テレビに
流れている感動は実に軽薄な感じです。

心が動いたからには僕のマテーラでの体験も“感動的”
だったのだと思います。ただその感覚は感傷とか涙という
ものからは程遠く、ひたすら呆然と“救われた”という
感覚でした。

日本での日常生活の慌しさから地球の裏側で開放されて
“ホッとした”というのもあるでしょう。

でもそういった次元とは別のところで、マテーラとバジリ
カータ、プーリア、カラブリアの光景は刺激の塊だったの
です。

これは長く滞在したローマやフィレンツェでもあまり感じ
たことのない感覚です。

では、その刺激とは何か。

まずはその風景です。
広漠たる麦畑、あるいは荒れ果てた乾燥した土地などの丘
陵地が際限なく続き、時折グランドキャニオンのような山
が現れます。そしてオリーブ畑や果樹園もところどころで
栽培されていて、見渡す限り農民たちが作り出した自然風
景があります。

母性的な大地の優しさ、というより非常に父性的な厳しさ
さえ感じさせる風景です。同時に主に麦のようなおそらく
は高収入の見込めない農業に依存した“貧しさ”も想起さ
せます。

トスカーナのようなある種華やかな風景はありません。

では、人々はどうなのかと言うと、先ず町で日中見かけるの
は“親爺”たちの集団で、日向ぼっこしたり、だべったり、
カードゲームをしたりしてのんびり時間を過ごしている。

南イタリアの典型的な風景なのですが、お爺さんのみなら
ずいい歳の男たちも混じっていたりする。共通しているのは
皆パリッとした服装をしていることで、彼らなりに気を使っ
たおしゃれをしているのが良く分かり、かわいらしささえ感
じます。

夜はというと、家族単位で外に繰り出してお話していたり
(これはちょうど祭りの時期だったからでしょう)、サッシに
住む友人家族は外の階段(=街路)や中庭で(それは同時に
お隣の壁や自分の家の屋上だったりするのだが)、親戚や友人、
または見ず知らずの同郷人とスイカを食べながら笑い話に興じ
ていた。でもここにもある種の華やかさがあるわけではあり
ません。

街の景観はどうだろう。
柔らかい凝灰岩質の土壌を利用したマテーラの洞窟住居サッ
シは家の奥に入っていくと本当に洞窟のような空間が広がる
いかめしい物で、洞窟住居を利用したホテルに滞在した時、
最初は「え!ここで泊まるの?」という一抹の恐怖感を感じた
ものだ。華やかさとはここでも次元は違う。

食の現場はどうだろうか。
サルシッチャ、サラミの盛り合わせ、チーズの盛り合わせ、
ピーマンのソテー、パン団子のトマト煮、ソラマメのピュレ、
色んな肉の炭焼き、ジャガイモのローストなどなど。ああ、
なんとシンプルな世界だろうか!そして素材一つ一つのなんと
味わいの強いことか!!でも、ここには華やかさはまるでない。

“ない!ない!!ない!!”を連発して肯定に転ずるには無理
がありますが、ここでいう華やかさとは、「経済的な余裕に裏
打ちされた美しさ」という意味です(バブル以降病的に刻印さ
れてしまった日本人の消費へのあこがれ、と重なる部分かもし
れません)。

擬態語で表現するなら「キラキラ」「スベスベ」した直線的で
人工的な輝きでしょうか。(勿論これを否定するわけではありません。)

しかし、同じ事象を見て“ある”と感じられるのは・・・原初
的な大地のむき出しの世界、個人主義を中心とした小さな
共同体の姿、その土壌にしかないポテンシャルを歴史の中
で培い、未来に伝えようと言う意思・・・という風に見え
てきます。ここでは、華やかさ=経済的繁栄、に見放され
た人間たちが如何に大地と向き合い、利用し、その中で快
楽や華やかさを求めてきたかが非常に浮き彫りにされてい
ます。

それは「ゴツゴツ」「デコボコ」とした世界でありながらも、
とてもどっしりと重い、落ち着きのある世界です。

 では、なぜ僕は“救われた”気持ちになったのでしょう。

それは、マテーラの人々が“華やかさ”のない現在の人生に
純粋に充足して生きている姿を目の当たりにしたからだと
思います。そしてその充足に値するもの、農民たちの自然
風景、自分と他者とのかかわり、住まいのこれ以上ない豊
かな個性はもとより、何よりも食べ物の素材の美味しさが
人生をサヴァイヴァルするために絶対に必要不可欠なもの
だと確信したからです。

 「解説」と称して、いったい僕は何を書いているのでしょう。

「素材の美味さ」と称して今夜皆さんに楽しんでいただく素
材の中で純粋にバジリカータの素材を使用しているのは前菜
のペペローネとチーズです。ですから同じ映画でも俳優の違
うリメイク版を楽しんでいただくようなものです。

かつてセルジョ・レオーネは「荒野の用心棒」で黒澤明の
「用心棒」の脚本を黙って借用して大成功を収めました。
これは明らかに「用心棒」の脚本がべらぼうに面白く、良
く書けていたからです。

 今回は我々(プリンチペッサ岩原とヴィーテ・イタリ
ア高岡)がセルジョ・レオーネです。でも脚本を無断で
借用していません。

「ルーナ・ロッサ」というバジリカータ州のポッリーノ
国立公園内にある大自然に囲まれたリストランテのシェフ、
フェデリーコ・ヴァリチェンティ氏にレシピを託されて
います。彼は昨年の「世界のバジリカータ・リストランテ」
コンテストの優勝者であり、ヴィーテ・イタリアの「南イ
タリアを食べる」ツアーで訪問したリストランテのオーナ
ーシェフであります。

 「喜んで、レシピを送ります。参加される方が私の料理で
楽しまれることを心から祈っています」

というコメントをいただきました。

 映像と料理とワインで、南イタリアの様子を垣間見ら
れて、「行って見たい!!」と熱望されたら僕にとっては
大成功です
(例え現実に行けなくても・・・)。当然ながら
僕とバジリカータ=南イタリアとの関わりもスタートした
ばかりです。旅行もディナーも様々な切り口で断続的に続
けられるでしょう。皆さん、また是非、ごいっしょいたし
ましょう!!

 料理とワインのラインナップは以下の通り

 
piatti お料理 commenti da sondaggi
アンケートからのコメント
vini  ワイン commenti da sondaggi
アンケートからのコメント
サルシッチャとセニーゼ・ピーマンのポテトタルト
tortino di patate con salsicce e peperone di Senise
・今回のベストが前菜です!!
・ワーストは前菜、ポテトが多すぎると思った
・ベストはパスタ
・ベストだけど量が多すぎた
・素朴な味わいが良い・ベストはメイン!!
・個人的にはシェフの日本的な軽いソースが好きです。
・香辛料のローズマリーが良くなく、脇のソースもイマイチ
・他のイタリアレストランで食べられないような家庭料理風の料理で良かった。
Basilicata bianco IGT
Bianco di corte
2000
・デザートワイン以外どれも良かった
・赤はどちらも美味しかったです
・すべて美味しいワインでした。デザートワインに驚いた!!
・ReManfrediとLePassuleが良かった
・Costanzaが飲みやすく良かった、ReManfrediは濃すぎたが、料理とは合っていた
・Costanzaはどの料理とも合って若いけど美味しかった。ReManfrediはアタックが強すぎてしんどかった
甲イカとフンギのトマトソースのカヴァテッリ
cavatelli al pomodoro con calamari e funghi
Aglianico del Vulture DOC Rosso di Costanza 2000 Tenuta le querce
豚ロースの煮込み・玉ねぎとラードのアリアニコの赤ワインソース
maiale con cipolla e lardo al vino Aglianico
Aglianico del Vulture DOC Re Manfredi 1999 Terre degli svevi
南イタリアチーズの盛り合わせ
formaggio assortiti
Val di Neto IGT
Le Passule 1998
栗のプリン、イチジク風味のチョコタルト、ヴァニラのセミフレッド・赤ワインソース
budono di castagne, torta di cioccolato ai fichi, semifreddo alla vaniglia con vino Aglianico concentrato
Val di Neto IGT
Le Passule 1998

参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
テーブルのセッティングが初対面同士の話し合いをある種強要するよう
なスタイルになっていたのでちょっとどぎまぎされた方もあったかと思い
ます。それに相性などのコメントにはどうしても好き嫌い、個人の嗜好の
違いがまざまざとでるので、中にはコメントしにくい方もいらっしゃったか
もしれません。

いつも思うのですが、味わい、食に関して我々は科学的な教育を全くと言っ
て受けていない世代であり(というより、人類史上ない。今後はスローフ
ード運動の盛り上がりと共に必要不可欠な分野になると僕は思います)、
どうしても個人の好き嫌いが前面に出てしまいがちです。客観的な部分は
どうしても抜け落ち気味になるとは思いますが、このイヴェントはやはり
”楽しみ””快楽”の場であり”教育”の場は二義的な意味合いを残すのみ
ですので、「私はこれが好き、ええねん!!」という感じでおしゃべりが盛
り上がっていくと一番楽しいのではないかと思います。「えっ!!こんなん
が好きなん!?」とか「それはちがうやろ!!」とか「私はこう感じんねん、
ええねん!!」みたいは他愛のないやり取りが一番良いのではないかと
思います。重要なのは自分の感性をできるかぎりさらけ出してみることか
もしれません。

コの字方のテーブルセッティングでした。 前菜:サルシッチャとセニーゼ・ピーマンのポテトタルト 一番評判の良かったワイン
Aglianico del Vulture DOC
Rosso di Costanza
2000 t.Le Querce





il 13 novembre 2003

5.アンティノーリの通訳!(大阪スッド・ポンテヴェッキオ)

 
久々の通訳の仕事でした。
 大阪でもぶっちぎりの有名店「ポンテ・ヴェッキオ」の4号店、
オープンしたての「なんばパークス」最上階の「スッド・ポンテヴェ
ッキオ」でのワインメーカーズ・ディナーという奴ですね。

僕が通訳した方はトスカーナのアンティノーリの輸出マネージ
ャー・フィリッポ・プリーシさん。40半ばの中々のハンサムフィオ
レンティーノでした。

 普段あまり大都会に馴染まない僕だけに、会場に入る前に
なんばパークスを徘徊してまいりましたが・・・、「都会の中の
自然を感じて・・・」云々というキャッチフレーズには本当に言葉
もありません。あれが自然ですか・・・・・。

なんばパークス全体の印象としては別に「こんなんが長い目で
プロジェクトされたもんかいなあ・・・」という程度で、コンセプトと
しても売られている商品にしても、働いている人々の雰囲気に
しても刺激的なものはありませんでした。でも、これは僕が単に
流行と言うものに鈍感だからかもしれません。

 逆に、「スッド・ポンテヴェッキオ」での時間は非常に刺激的で
した。通訳というとても久しぶりの仕事を大阪のど真ん中で流行の
最先端とも言えるお店で努めなければならないと言う緊張感も
勿論あったかと思いますが、まずはお店の内装のお金のかけ方!!
働いている人たちの多さと都会的な柔らかさのある接客態度が
普段僕が知っている京都のイタリアンにはまるでないところかと
思いました。まさに「景気の良さ」を体現した店です。

このディナーは料理とワインの相性ディナーの形で、ひとり
¥15000の内容のようでしたが、軽々満席、おそらく100人は
いたのではないでしょうか!!もう関西では第一人者といえる
山根大助シェフはパワーの塊のような方で、プリーシさんに終始
イタリア語で話され(彼には僕は用無し)、カリスマといえば大げ
さでしょうが、間違いなく人を惹きつけるオウラのようなものを発
してられました。いたく僕が感心したのは料理人にありがちな、
ある意味ダサい精神主義的な感じがなくて、怖いぐらいにイタリ
ア料理に浸ってらっしゃる感じだったことです。

この僕に対しても「あ、高岡さんはウチのFにかなりワインの影響
を与えた人ですねえ。Fからよく聞いてますよ!!」と現在スッド
のシェフになった僕の元同僚を引き合いに出してちゃんと持ち上
げてくれる。実際に彼が本当に僕のことを聞いていたのかは定
かではないけれどコチラとしては悪い気はしなかった。だって彼
は有名人だし(笑)!何よりもそんなリアクションの取れる方は、
この業界そういないかもしれない。なぜかプリーシさんにまで”
Lui era molto famoso prima...ma adesso peccato che non lavora
piu sommelier"(彼は有名だったんだけど、もうソムリエじゃないのは
残念だね)などとエネルギッシュに話されるのでちょっとおかしかった。

でも笑えるほど外に発するパワーがあるからこそ、今のポンテ・ヴ
ェッキオがあるのではないかとも思えてくる。現在、4店舗で従業員
200人、一日の平均客数が1500人だそうだ(笑)。プリッシさんも腰
を抜かしていた。

 プリーシさんの人柄は、一言で言うとsimpatico=気さくで感じの
良い人だ。僕がプロの通訳でないことを告げ、できるだけ短い文
で区切るように頼むと、快くOKしてくださったし、会話の内容もおそ
らく出来る限り単純にしてくれたのではないかと思う。

ただやはり懸念していたのだが、かなりのフィレンツェ訛りでハヒフ
ヘホが激しかった。後半になって打ち解けてくるともう手の施しよう
がないくらいハヒフヘホしていた。

昔、アンチフィオレンティーノのシチリア人の友人が『たとえば「カカ
ーオ」を「ハハーオ」と発音する奴がいればそれは似非フィオレンテ
ィーノだ。生粋のフィオレンティーノなら「カハーオ」と一つ目のCは
ちゃんとCで発音するんだ』とまるで敵を分析する軍曹みたいに話
していたが、プリーシさんの発音は見事に第一CをCで発音していた
から疑いようのないフィオレンティーノなのだろう。

もっとも実家は郊外のフィエーゾレだと言っていたが。プリーシさん
とはディナー中よくしゃべった。と、いうのも余りの人の多さからか、
テーブルを挨拶して回るとか、プロなどの同業者向けにテクニカル
な話があると言うことが一切なかったので、気楽にディナーが取れ
たからだ。その中で記憶に残る印象的な話をいくつか挙げておこう。

 1.日本の都会には緑が少ない。大阪はその点かなりひどい。
人々がヒステリックになるのも当然だ。フィレンツェは盆地のような
地勢なので、空気汚染がひどく自分は街で仕事をしたくない。自分は田舎者。

 2.いくつかのテーブルで女性だけで食事をする光景を何度も見
たが、これは日本だけに見られる現象だ。

 3.ジロラモ・パンツェッタ氏は、非常に表面的なイタリアのイメージを
デフォルメしているので好きではない。

 4.自分が好きな日本人の特徴の一つは「時間厳守」なこと。

 5.日本人のほとんどは英語が苦手で、自分は学校教育に英語が
ないのかと思っていた。外とのコンタクトが感じられないというのは、
でも理解できる。

 6.日本のイタリアレストランは、いいレベルにある。ほとんど世界の
トップレベルの店もあるが、時々勘違いしたような店に出会うこともある。
 
いっしょにいた時間はおそらく4.5時間ぐらいだったかと思うが、その間
に彼の人生の大まかな流れが知れたり、個人的な趣味であったり、
とても楽しいひと時だった。

勿論通訳としてもそれなりの使命を果たせたと自負はしているがそれ
にしても楽しませてもらったと言う気持ちが強い。プリーシさんの人柄
に負うところが非常に大きいと思う。

 一方にイタリア醸造界のスター的ワイナリーの営業マンがいて、もう
一方に販売元の日本の大手ビール会社の営業の方々ともお話を交
わした。

このコントラストが僕には、実に楽しかった。あの方たちはどうして見
た目にも、話した感じも皆同じ人に見えるのだろう。勿論実際にじっく
りお話しすると個性と優しさがじわじわとにじみ出てくるのだけど・・・。

あのイタリア人の分かりやすさと言ったらどうだ!!僕は、イタリア醸
造界のスーパーヒーローとも言えるピエロ・アンティノーリの素顔につ
いても色々と聞き出すことが出来たのだ。

清々しいのは、どこそこの会社のプリーシさんではなく、プリッシさん
自身と接したと言う、当たり前といえば当たり前の、生身の人間と対
した感覚だろう。仕事、ビジネスと言う名目で自らを隠したり、逆に無
礼講と称して下品に豹変したりする気違いじみた人が多すぎるんで
しょうね、日本は。あ、もちろんこのパーティーにはそういう胡散臭い
雰囲気は皆無でしたよ。

 さて注目のメニューをご紹介しましょう。
お料理 僕の好み ワイン 点数 相性
関サバと秋野菜の香味マリネ
ウスイ豆の冷たいズッペッタ、ラルド巻きオマールエビ添え、黒トリュフ風味
Bolgheri DOC
Vermentino 2002
78
温かいポテトのティンバロとキャビア eccellente!!
冬野菜と自家製サルシッチャのパッパ 野生のルーコラとパルミジャーノを添えて Chianti ClassicoDOCG
"Peppoli" 2000
75
ジロール茸とポルチーニ タリオリーニ
ホロホロ鶏jとポルチーニのラビオリ アジアーゴチーズのソース 黒トリュフ風味 Salento IGT Tormaresca
Masseria Maime 2000
85
クロワゼ鴨の炭火ジラロースト 海老芋ピューレと香りのサイコロ添え Tignanello 1999 88
洋ナシとポワールウィリアムス風味のグラニテ ピスタチオジェラート

 ヴェルメンティーノは限りなくエレガントなフレッシュ&フルーティー
ワインだと思う。洋ナシ系の香りが絢爛と出ていて、かといってくどく
どしていなくてミネラル香が香りを引き締めている。味わいもヴェルメ
ンティーノを極力すっきりと表現しているが、持ち味である苦味も最
低限存在していて、品種の良さがうまく表現されている。

 ペッポリはごめんなさい、よく覚えてません。

 マッセリアは注目のプーリアワインですが、ティニャネッロと並べて
味わうとアルコール感の迫力が際立って面白かった。トレビッキエー
リですか・・・たしかに非常なアルコール感の中にも気品があります。

 ティニャネッロは、マグナム。順番的にはマッセリアの前にテイステ
ィングしたほうが良かったと思うけど、どうしても目玉のワイン、それも
マグナムならこういう順序になりますよね・・・。それでもフルーツとス
パイスの均衡が非常に美しく、まだまだ酸とタンニンがきついのですが、
ふくらみのあるボディは流石でした。

 華のある会だったと思います。インポーターさん、レストランさんとも
にありがとうございました。そしてこういうイヴェントをジャンジャンして
ください!!

il 12 novembre 2003
le basi del vino italiano Campania e Lazio
6.基礎編カンパーニャとラツィオの白、飲み比べ(京大会館)


 基礎編、ナポリのワインとローマのワイン。共に現在のイタリアワイ
ンシーンの中では脇役的な存在だが、バイプレーヤーだからこそ素
敵、彼ら抜きにしてイタリアワインが語れないことも事実。それに南イ
タリアの土壌的、気候的な潜在能力を見ると将来のイタリアワイン勢
力地図が様変わりしてしまう可能性も十分秘めている。そんな発展
途上段階にあるワインシーンの優れたワインをご紹介した。

vini degustati
cantine vitigni commenti
Beneventano bianco IGT
Albente
2001
Feudi di San Gregorio coda di volpe
greco
南イタリアの雄”フェウディ・ディ・サングレゴリオ社”の
底辺ワインの白。底辺とはいえ、この果実感はとても侮れない。
Frascati superiore DOC
2001
Fontana candida trebbiano toscano
malvasia di candia
malvasia del Lazio
近代醸造界において”軽視”されがちなフラスカーティ。
確かに粗野な感じ、田舎臭い感じはあるかもしれない。
しかしイタリアのいろんな農民料理にしっくりくるのが
このワイン。料理との相性において真価を発揮するワイン。
そういう視点で見るとワインそのものにもなんだか愛着
が沸いてくるんですよね・・・。
Beneventano rosso IGT
Trigaio
2001
Feudi di San Gregorio piedirosso
aglianico
底辺ワインでありながらこの葡萄の誇らしげな姿よ!
僕はだいたいこの手のワイナリーの作品としては上の
ものより底辺が好きです。
Umbria rosso IGT
Vitiano
2001
Falesco merlot
cabernet sauvignon
sangiovese grosso
「ラツィオといいながらウンブリアじゃねえか!!」と怒ら
ないで下さい。ラツィオの重鎮コタレッラの存在をどうし
ても紹介したかったのです。地域としては境界線です。
 

il 8 novembre 2003
「京大会館でファナティックワイン会 テーマは”スーパートスカーナ”」
7.ファナティック!!ついに「スーパートスカーナ」!

前回「キャンティ・クラッシコ」に続いての「トスカーナ」シリーズ。「スーパー」
だけに有名どころを外さないように、そして名実共に優れたワインをセレクト
しました。


le foto vini degustati vini degustati commenti sui vini analisi di Takaoka
フォンタッローロ
1998

フェルシナ社
スターエノロゴ、フランコ・ベルナベイがフォントーディ社の「フラッチャネッロ・デッラ・ピエーヴェ」とともに「サンジョヴェーゼ・スーパータスカン」を世に送り出したのが80年代前半。僕が最初にテイスティングしたのが90年ヴィンテージ、あの頃の酸の尖りはいったいどこに行ってしまったのだろう。「すっぺえ!」と思いながらも喉が「早くくれ!」と催促するかのようにやめられなかったのが懐かしい・・・。酸が穏やかになって全体性の調和が良くなった、とも言えるが最近は酸が穏やかでタンニンがビシバシ来るサンジョヴェーゼが余りにも多くないか?・・・・。 目:濃いルビー色からガーネット。オレンジの優しい反射。大泣き、透明
:強い香、チョーク、凝縮した果実味、ブラックチェリー、プラム、鉄、スパイス
:酸に力があるがタンニンが遥に強い。口の中でフローラルなフレーヴァが心地よい。
視覚(17/20)色11、涙4
透明感2
嗅覚(23/30)
強度4、香11、好感度8
味覚(30/35)
ボディ7、バランス6、余韻9、好感度8
全体(12/15)
調和8、進化状況4

総得点
  82/100
ペルカルロ
1998

サン・ジュスト・ア・レンテンナーノ社
キャンティ・クラッシコの大御所エノロゴ、マウリツィオ・カステッリがコンサルタントしていたが今はどうなのだろう。こちらも83年ヴィンテージ初リリースのサンジョヴェーゼ100%スーパータスカンの草分け的存在だ。近年はこのワインより「ラ・リコルマ」というメルロー100%に関心が集中しているのだろうか。それにしてもサンジョヴェーゼ100%のワインでこれほどまでにエレガントで洗練された例を僕は知らない・・・・。 :濃いルビー、フォンタッローロよりやや薄めでオレンジの出方はしっかりしている。大泣き、透明。
:ミネラルが最初顕著で多少ピエモンテ的な磯の香を髣髴とさせた。とても美味しそうなチェリーやキャンディの香に黒コショウ、カカオ、レザー香が程よく脇を固めている。
:今回の5本の中で酸とタンニンのバランスが最も良くて、なおかつアルコール感との均整も取れて非常に優美
視覚(18/20)色12、涙4
透明感2
嗅覚(26/30)
強度4、香12、好感度9
味覚(33/35)
ボディ8、バランス6、余韻9、好感度9
全体(14/15)
調和10、進化状況4

総得点
  91/100
シエーピ
1996

カステッロ・ディ・フォンテルートリ社
こちらもキャンティ・クラッシコでは知らないも者がいないくらいのプレステージを誇る。オーナーのマッツェイ家は15世紀からすでにこの土地でワインを造ってたんだから老舗中の老舗という事になる。醸造家カルロ・フェッリーニも指折りのエノロゴ。「シエーピ」は今回の5本の中で最も高価。味わい全体の「迫力」という意味では他の追随を許さない「大らかな」ワインだ。最初にテイスティングしてから約1時間後、グラスの中の変貌に一同大きな歓声とため息が・・・・(ちょっと大げさ?)サンジョヴェーゼとメルローの最高峰だろう。 :どす黒さを凝縮したルビー。オレンジ色の反射。大泣き。弱冠のオリ。
:強い。ヨウ素、ブラックベリー、ブルーベリーのスピリッツ漬け、ドライフラワー、ミネラル、鉄、コーヒー、酸の強さも感じる
→時間と共にタバコやレザー、スモーキーな香がモクモク立ち込めてきた、ため息が漏れるような艶かしさ
:最初全体のポテンシャルは感じながらも落ち着きに欠けると思っていたが、一時間後素晴らしい滑らかさを獲得していた
視覚(18/20)色13、涙4
透明感1(オリ)
嗅覚(29/30)
強度5、香14、好感度10
味覚(33/35)
ボディ8、バランス6、余韻10、好感度9
全体(13/15)
調和9、進化状況4

総得点
  93/100
チニャーレ
1993

カステッロ・ディ・クエルチェート社
95年のとっても寒い時期にこのワイナリーを訪問したことがある。当時ワインジャーナリストだったIさんと、フィレンツェに在住していた友人夫婦とキャンティ・クラッシコ内に入ってから直前にアポを取って行ったのだがオーナーのフランソワさんが非常に丁寧に案内してくれたのだが実はあまり記憶していない・・・。カベルネとメルローを植えたのが1981年というから「サッシカイア」の次の世代の「スーパー」と言えるだろう。こちらも一時間後に大きく変貌した。 :ガーネット色でオレンジ色がはっきり出てる。大泣き。透明。
:石灰、野菜、バラ、ドライなチェリー、ブルーべりー、鉛筆の削りカス、アニマル
:酸が柔らかいがタンニンで過ぎ。塩気がはっきり感じる。
視覚(17/20)色11、涙4
透明感2
嗅覚(26/30)
強度5、香13、好感度8
味覚(31/35)
ボディ7、バランス6、余韻9、好感度9
全体(13/15)
調和9、進化状況4

総得点
  87/10
グラヴェッロ
2000

リブランディ社
(カラブリア州)
今年の7月に訪れた。空の青、海の水色、山の緑、それぞれが濃くはっきりと視界に刻印されるような、そして今でも思い出すと心が晴れてくるような場所だった。初期のエノロゴはセヴェリーノ・ガローファノで現在はドナート・ラナーティ。リブランディのような今の南の最先端ワイナリーはそれほどフランス葡萄に関心を払っていないように見える。リブランディで実験されている夥しい量の土着葡萄は、添う遠くない未来に花開くだろう。世界が南イタリアの土着葡萄に注目しようとしている現在にあっては、カラブリアワインの金字塔となったこの「グラヴェッロ」も過去の産物になっていくかもしれない。今回はトスカーナとの比較をブラインドで際立たせるために「スーパーカラブリア」として登場願った。 :5本中もっとも薄いルビー、わずかにオレンジの反射。大泣き。透明
:強い。そばぼうろ見たいな和の焼き菓子。甘いチェリー、プラム、野菜、イチジク、甘い紅茶、黒コショウ、カカオ、少々タバコ
:5本中一番酸が穏やかで甘みが際立つが余韻の辛口感はある。若いためだろう、バリック香が鼻、口ともに浮いている。もうちょっとワインに溶け込む時間が欲しい。
視覚(17/20)色11、涙4
透明感2
嗅覚(25/30)
強度4、香13、好感度8
味覚(31/35)
ボディ7、バランス7、余韻9、好感度8
全体(13/15)
調和9、進化状況4


総得点
  86/100

 ブラインド・テイスティングのクライマックス、最後の「当てっこ」では
、本セミナーのベテランKさんがパーフェクトの回答をした!auguroni!! 
分析、推理して当たったときの快感はなかなか得がたいものがあります
よね。でも、当たった人も当たらなかった人も自分の感性を信じて、
真摯に飲み続けて行きたいものです。因みに「スーパーカラブリア」を
当てた人もKさんのみでした。皆さん、バリックの存在でだまされてい
るようです。

Ma e un gioco!!

次回は「ブルネッロ」で会いましょう!!!




il 5 novembre 2003

8.京都プリンチペッサのランチ

大学の同級生K夫妻(Kはイタリア語通訳のベテラン、在ローマ20年近く)、そして
ゆうじんでもあり大阪のセミナーのお客さんでもあるT君(映画やCFのキャメラマン)
と京都、松ヶ崎のプリンチペッサにてランチを頂く。

プリンチペッサシェフの岩原氏はローマ在住3年、あの名店「アガタ・エ・ロメオ」で研鑽
を積んだはじめての日本人として有名です。Kは岩原氏がローマ滞在時からの友人。
5年ほど前に奥さんを連れてきて、奥さんがすっかりプリンチペッサファンになってしま
ったという。

我々4人、長い時間をプリンチペッサの料理と僕が無理やり持込したワインで大いに
楽しんだ。特にKと奥さんは終始、感動の嵐でした。僕はいつもの岩原氏の実力を再
確認させていただいたという余裕の気分。とにかく、料理への感性と実力のバランス
が良いし、店の雰囲気と非常にマッチしている。イタリアンのエッセンスはしっかり持ち
つつも「岩原の料理である」という部分が一貫している。

では、ちょっぴりご紹介を・・・

突き出し:
ホタテのタタキとカブのスープ仕立て
ワインはフェラーリのマキシマム・ブリュット(ノーマルブリュットより、ちょいとソフィスティケートされていて良い。
前菜盛り合わせ ジャガイモニョッキ、きのこと
甘長唐辛子のクリーム、
牡蠣のソテー添え
リブランディの秘蔵ワイン「エフェゾ」
「エフェソ」はマントニコ種をバリック熟成したワイン。リブランディらしいクリーンで葡萄の個性が樽熟で生かされたワインだ。目と鼻でのアピールが凄まじいが味わいですっと引いていくところがユニーク!!

美味しい料理とワインで元気になって、さて、明日の美味しいワインは何かな・・・・・・・





il 4 novembre 2003
9.ヴェネトのマクラン社、ポーリ社のテイスティングセミナー

イタリアワインのインポーターとしては草分け的な存在であるフードライナーさんのテイスティングセ
ミナーに参加。ヴェネト州ヴィチェンツァ近郊のブレガンツァのワイナリー「マクラン社」の社長令嬢で
もあり農学士の勉強をされているアンジェラ・マクランさんと、同じヴェネト州バッサーノ・デル・グラッ
パの伝統優良蒸留所「ポーリ」の、蒸留担当をされている3代目ヤコポ・ポーリさんがそれぞれの
素晴らしいワイン、グラッパを愛着たっぷりの言葉で紹介された。

第一部:伝統産地における革新派の急先鋒「マクラン」
 18世紀からの歴史を持つブレガンツェに1947年に創立され、70年代に引き継いだ現当主
で父のファウスト・マクランがワイナリーを改革した。

彼は醸造技術に関してはフランスボルドーのそれを導入したが伝統の部分は守ろうとした。
すなわちそれは「伝統品種」でヴェスパイオーラと呼ばれる品種はブレガンツェを出ると他には存在
していない品種で、文字通り甘みがあり(「ヴェスパ」は蜂の意。蜂が寄ってくることからついた名前)、
それでいて酸度も高いので非常に残糖とバランスが取れやすい傾向がある。現在はイタリアで最良
のワイナリーの一つに数えられている。年間総生産量は65万本でそのうち40%が輸出される。

ブレガンツェは村の名前でもありDOCの名前である。小さな地域でドロミティ渓谷の麓にあるので、
山々がアルプスからの寒さを防いでくれる。

2年前にワイナリーをリニューアルした。現在自社畑は40haで、全生産量の3分の1は地元の
農家から葡萄を購入している。密植度は1ヘクタールにつき10000本(!)に上る畑もあり、
これこそ父ファウストがボルドーで学んだことの一つである。

栽培している葡萄は、白がピノ・ビアンコ、ピノ・グリジョ、トカイ・フリウラーノ、シャルドネ、ソーヴィ
ニョン、ヴェスパイオーラ、赤がメルロ、シャルドネ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョン、ピノ・
ノワール。これらのフランス葡萄はブレガンツェでは100年以上も前から栽培されており、伝統
葡萄といってもさしつかえないかもしれない。

収穫はすべて手摘みで、畑で第一の葡萄選別を行う。
さらにカンティーナで葡萄選別を行い、またベルトコンベア上の葡萄を12人がかりで選別するので
醸造までに計3回葡萄を選別することになる。

赤ワインの醸造には特殊な小さなステンレスタンクが使用される。それぞれ選別した葡萄ごとに
発酵させ、リモンタージュはしない。小さな弁のついた平らなディスクが果帽の中に入り一種の
パンチングダウンを行う。ある種伝統的なやり方といえる。圧搾は0.2〜2.0気圧で緩やかにプレスする。

白ワインは大きなステンレスタンクで発酵させる
バリックを多用する。1100のバリックを所有しており、毎年その30%を買い換える。

バリックは3回しか使用しない。当然良質のワインには新樽の比率が高くなる。
Vini degustati le fote dei vini note dei vini analisi di Takaoka
ブレガンツェ・ディ・ブレガンツェ
Breganze di Breganze 2002
最も伝統スタイルのマクラン社ベースワイン
品種:トカイ・フリウラーノ85%、ピノ・ビアンコ15%
醸造:ステンレス発酵でアルコール発酵
樽熟成なし、瓶詰め後3ヶ月間セラー熟成してリリース
前菜全般、軽いパスタ料理、軽い魚料理に良く合う
輝きのある薄い麦わら色、
りんご、洋ナシ、花の香、
少々発泡、酸はフレッシュ。
とてもクリーンでまとまりが良い
シャルドネ・フェッラータ
Chardonnay Ferrata 2000
「フェッラータ」は畑がフェッラータと呼ばれる道のそばに
あることに由来。第一次大戦のときにアルプス山岳兵に
物資を運ぶための鉄道だった。密植度は10000本/ha!
グリーンハーヴェストなどで収量を抑える。除葉し房に太
陽が当たるようにする→アロマや糖度が濃縮する
品種:シャルドネ 100%
醸造:アリエ産バリック(新樽3分の1)でアルコール発酵と
5ヶ月の熟成。瓶詰め後10ヶ月間セラー熟成してリリース
黄金がかった黄色。香はパイン
やバナナ、カリン。ヴァニラや
煎ったヘーゼルナッツの香。
酸が綺麗で全面に出ている。
それを大らかに覆う滑らかな
舌触り。余韻も心地よいナッツ
香が長く続く。
ブレンティーノ
Brentino 2001
マクラン社ベースの赤ワイン。年間30万本生産。名前は
ドロミティ渓谷源流でアドリア海に注ぐブレンティーノ川
に由来。メルロー55%、カベルネ・ソーヴィニョン45%、
ステンレスタンクでアルコール発酵、バリックで12ヶ月
熟成(一部ステンレスのみ)瓶内6〜8ヶ月熟成
濃いルビー色で軽い紫色が反射。
熟れた果実の香。少々発酵香が
強い。焦げた匂い。バリックによ
って甘みを増した香と発酵香のミ
ックスが個性的なワイン。味わい
は中強だが、タンニンは非常に柔らかい。
フラッタ
Fratta Veneto IGT 2000
北東イタリアのレベルの高さを内外に知らしめた記念
的ワイン。年間約4万本生産。収穫量は4トン/ha。
発酵温度を高めにして甘いタンニンを抽出する。品種
や品質ごとに熟成中のバリック樽からブラインドテイス
ティングしランキングをつけ、カベルネとメルローの比
率を決定する。ブレンド後6ヶ月間熟成(計18ヶ月)
品種:カベルネ・ソーヴィニョン54%、メルロー46%
醸造:3.5トンの開放発酵タンクで6日間発酵、マセラ
シオンを行いマロラクティック発酵を完成させる。
濃いルビー色。黒い。オレンジの反射も。アルコール感豊かで果実味がスピリッツ漬けの風味がある。時間と共にメロンの香、そしてレーズンの入ったチョコレートの香。味わいはふくよかなボディー。酸がワインの柔らかさとうまみとしっかり結びついて本当においしい。
トルコラート
Torcolato  2001
18世紀ごろから語られる伝統ワイン。77年からファ
ウストが革命的に醸造法を変えたがヴェスパイオ
ーラという品種は守った。密植は4000本/ha。9月
末に収穫。1月中旬まで陰干しし、葡萄の20%が
ボトリティス・シネレア菌(貴腐菌)に覆われる。ト
ルコラートとは葡萄を陰干しする際に天井から紐
を使って房をつるすのだが、そのつるし方が房をね
じるように(=torcolare)紐に通していく事に由来。
吊るすと下に麦などを干せる、という有利な点もある。
屋根と床に窓があり、風通しに細心の注意を払い、
湿気を閉じ込めない。重くなりがちなこの種のデザー
トワインにあって「bevibile(飲みやすいこと)がこのワインの長所」
品種:ヴェスパイオーラ、ガルガーネガ、トカイ・フリウラーノ
醸造:フレンチオーク(3分の1新樽)で18ヶ月熟成後6ヶ月瓶熟
黄金色。香は蜂蜜、黄桃、乾燥アンズの香が絢爛。トロリとした触感の中にク
リーンで心地よい酸味があり、実においしい。ナッツの香とフルーツの香の余韻が艶かしい。
アチニノービリ
Acininolibili  2000
1月中旬に葡萄の60%以上が貴腐に犯されているもの
のみを選別する。実の部分が既にジャム状になっている。
品種:ヴェスパイオーラ、ガルガーネガ、トカイ・フリウラーノ
醸造:ネヴール産バリック新樽で2年間熟成後、1年間熟成
非常に濃密な黄金色。蜂蜜、レーズン、クルミ、少々石油香
ワインの滑らかさの次元を超えたようなドロドロした印象を与えるが、酸がしっかりしているのでヘビーにならない。余韻はほとんど天津甘栗でとても長く持続する。
余りにおいしすぎて腹の底からこれは笑いがこみ上げて耐えられなかった!!


陰干し風景(セニーゼ・ピーマンみたい!!)

アンジェラ・マクランさん
しかし、イタリア人はどうしてこんなにフォトジェニックな笑顔をいとも簡単に作れるのだろうか・・・・。

アチニノービリ(伊語で高貴な果粒の意)の葡萄房


第二部: 質的グラッパの開拓者 「ポーリ」

15分休憩の後、グラッパメーカー「ポーリ社」のヤコポ・ポーリ氏が登場。最初にグラッパの
地理的傾向と家族の歴史が語られました。

  イタリアでは、ピエモンテ州、ロンバルディア州、トレンティーノ州、ヴェネト州、そしてフリ
ウリーヴェネツィア・ジュリア州の5州で主にグラッパが生産されています。ピエモンテでは主に
黒葡萄から(味わいはストラクチャーがしっかりします)、フリウリでは白葡萄から(辛口でほろ
苦さが特徴です)、そしてヴェネトでは赤白の双方が生産され、エレガントさとバランスの良
い品質が特徴で、イタリアの40%がヴェネト産グラッパです。

  本拠地はバッサーノ・デル・グラッパといいます。500年以上前に建立されたパラディオ
設計の木作りの「ポンテ・ヴェッキオ」で有名です(恋人たちが手をつないでわたり、橋の中
央で手にキスをするとその恋が成就するという言い伝えがあるので日曜日になると恋人た
ちで一杯になります、皆さんも大切な人と是非どうぞ!!)が、グラッパの首都ということも
できます。町の北側にモンテ・グラッパというかつてグラッパが密造された山があり、町名は
その山に由来します。

  ポーリ家は100年以上前から蒸留所を営んでいます。曽祖父は麦わら帽子職人
でしたが、グラッパマニアで小さな蒸留器を発明して農家を巡っていました。因みにこの町で
最初に車を所有したのが祖父で、電話を始めて購入したのも曽祖父でした(電話番号が
2番で、1番が電話会社、つまり町に2台しかなかったのです。お陰で父は電話交換手の
母と知り合い結婚しました)。

  昔のグラッパは栄養源として、また体を温めるために消費された言わば生活必需品でした。
しかし、今グラッパがなくても誰も困りません。部屋はストーブで温まり、良い衣類を着れば
グラッパなどいりません。もう「必需品」ではなくなったのです。ポーリ社はグラッパを「ライフ・ク
オリティー」の一部として、人生の純粋な快感として、お客様にご提案できたらと考えています。

  グラッパとは、固形物から抽出する世界で唯一の蒸留酒です。ご存知のように葡萄の
絞り粕にはアルコールとアロマが一杯詰まっていてグラッパはこの葡萄の絞り粕を使用する
から蒸留したてでも香がしっかりしています。一方、コニャックやアルマニャック、あるいはカル
ヴァドス、そしてウイスキーなどは液体から抽出するのでアロマが弱く彼らが樽で長期熟成
するのは香りを補強するためなのです。グラッパにも樽熟タイプはありますが基本は樽熟なし
で色はいつも透明です。

  蒸留とは、発酵物から気化温度が水より低いアルコールを蒸発させ(アルコール78度
、水100度)、それを冷やして凝結させる事によって抽出する事を指しています。ちょうど
太陽が海を暖め、水分が雲となり、また雨を降らす、という現象に酷似しています。

  蒸留法には2つの方法、すなわち単式(distillazione discontinua)と連続式
(distillazione continua)があります。より工業的な連続式は蒸留器に常に新しい
ヴィナッチェを充填できるので常にグラッパを蒸留し続けることが出来ます。一日に蒸留
できるヴィナッチェの量はトラック15台分。一方単式はより職人的な作業と人手を必要
としますが、色んなタイプのグラッパを造ることができます。しかし一日に蒸留できるヴィナ
ッチェの量はトラック1台分です。グラッパ業界全体でいえば82%の蒸留所が連続式を
採用しているといわれています。ポーリ社はもちろん単式を採用する数少ない蒸留所で
蒸留器を12台所有しています。

  味わい的にいうと、連続式の法が質を安定させやすいといえます。だから画一的な
印象を与えます。一方単式は美味しい、美味しくない(もちろんこれは個人の好みの
問題です)があって、非常に個性的になりやすいです。もう少し分かりやすくいいますと、
とってもグルメな二人のために作るリゾットは単式的なリゾットでしょう。1000人の兵士
のために兵舎でつくるリゾットは連続式的なリゾットといえるでしょう。この二つのリゾットの
造り方に大きな違いが出てくるのは歴然としています。

講演中のヤコポ・ポーリ氏 6種のテイスティンググラッパ

※グラッパテイスティングの注意点

    1.視覚的には、まず濁っていないかをみる。
色はほとんどのグラッパがないので重要ではない。
    2.グラス上に鼻を長時間置かないこと
    3.小さなグラスで舌の先から奥に一直線で流すようにすると、
舌の先は甘さ、舌の奥が苦さを感じるところでグラッパの味の基調ラインと同じになる。
    4. A.全体の強さ  B.エレガントさ、魅力  
 C.明朗さまたは素直さ(近づいて行くと欠点がはっきりしてくる)


@トルコラート(葡萄:ヴェスパイオーラ、ガルガーネガ、トカイ・フリウラーノ)
 1月中旬にヴィナッチェがマクラン社から届く→この段階で干し葡萄の糖度
が非常に高い→グラッパになったときには残留糖度はゼロ
  il mio commento: 色は透明、香はフルーツ香にナッツや野菜(玉ねぎのよう)
香がある。味わいは甘みがあって余韻のナッツ感がとても美味しい、エレガント 
テイスティング中もっとも昔のグラッパらしい少々粗野な香(玉ねぎとかにんにく?)
があったが自分としてはもっとも気に入ったグラッパ。絞り粕から抽出した蒸留酒と
いう刻印がある上で様々な複雑なフレーヴァーや液体の滑らかさがあって良い!

Aサルパ(ヴェネト方言のvinacce=葡萄の絞り粕を意味する、葡萄:メルロ60%、
カベルネ・ソーヴィニョン40%
  il mio commento:  色は透明、香は赤い果実の香、フローラル。
よりアルコールの滑らかさと酸があり、辛口感があって、それでいて香の余韻の強さ、
長さがとても長く心地よかった

Bポ・モスカート(葡萄:モスカート・ビアンコ)
  analisi di Takaoka : 色は透明。やはりマスカットだけに香に華やかさがある。
柑橘系の皮の香やマスカット香。
  味わいも甘さと果実香が一体となって非常に飲みやすい。

Cサルパ・リセルヴァ(Aを4年間バリック熟成させたもの)
  il mio commento. やはりバリック香がしっかりついている。色は黄金色。
ロースト香が絢爛でカカオやチョコレートの香が非常に強い。

Dウーヴァヴィーヴァ・イタリアーナ(葡萄:マルヴァジア・ディ・カンディア60%、
モスカート・ビアンコ40%)
  il mio commento : 今回の6種類で最も上品でフルーティーな感じがした。
香にほとんどアルコールの強さを感じさせず、繊細。そして味わいや余韻はすこし弱め。

Eアルゼンテ(葡萄:トレッビアーノ種)
  もっともコニャック的な味わい?深い熟成香にグラッパらしい余韻も合って美味しい。
香はほとんどシガー。余韻も長くて非常に艶かしいグラッパ。         

恥ずかしながら久々に嗜めたグラッパだった。ご存知の方も多いだろうが僕は飲むと
顔がすぐに赤くなる性質で(決して弱くはないと思うけど・・・)、家でもテイスティングす
ると眠くなってしまうのであまり飲まない。

しかし、ヤコポさんが強調されていたようにグラッパは紛れもなく「人生の喜び」たりうる
飲み物だとつくづく思った。デザートワインをvino da meditazione(ヴィーノ・ダ・
メディタツィオーネ=瞑想用ワイン)というが、夜のしじまを深〜く過ごすのに、グラッパ
ほど良き友になってくれるものはない。孤独を愛する人間ほど一滴の希望というグラ
ッパで明日をサヴァイヴァルできるのかもしれない・・・。

 ヤコポさんはまさにグラッパ界の改革者。そしてモダンな感覚が体に染み込んでいて、
パワーポイントを使って、プレゼンテーションをしていく様はあっぱれ、という感じでした。

最初に日本語で挨拶されるところなども要領を心得た方だと感心した。
 アンジェラさんは、僕が約10年前にお会いしたファウストさんと比べると可愛そうですが、
非常に優しい如何にも令嬢然とした方で(もちろん日本によくいるバカなお茶らけた令嬢
とは違います,ドラマの見すぎ?))、それでいて農業に携わる人に共通の素朴さ、自然さ
が佇まいに滲んでいて非常に好感が持てました。

  どうですか、皆さん。ヴィニイタリーと含めてマクランとポーリを訪問するという旅は?
セミナーの後にアンジェラさんとその件についてお話しましたが、「ヴィニイタリーのときは
ワイナリーに誰もいないからねえ・・・」と苦しそうでした。ヴィニイタリーの時はどうしても
カンティーナ訪問は敬遠されがちです。

  いろんな方にお会いして、旅行の方もどんどん充実させていきますので、宜しくね!