蒸し風呂状態の神戸ワイナリーへ行ってまいりました!!

  ブドウ畑へ! No.3   2005年7月13日(水)


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    レポート

  前回の「ブドウ畑へ!」は6月末の本格的梅雨の始まる前の神戸ワイナリー
 でしたので、大雨が降った後のブドウ畑を是非見たいと思っていました。

  そんな折、神戸ワイナリーの三田村先生と電話で話していたら

 「我々は雨が降ったとか、天気が続いたとかいつも言ってるでしょ?
  今、ブドウを見たらその気持ちがわかりますよ。
 一度の雨でどれだけブドウが変わるか見にいらっしゃい!


 この言葉で、なんとか時間を作ってブドウを見に行こう!と張り切って一人で
 行って参りました

 午前中の時間を割いて、行って見て来た神戸ワイナリーをレポートします。

 今回は栽培担当の末松さんにご案内をお願いしました。

 背中に汗が幾筋も落ちていくのを感じながらムシムシ状態の畑で2時間かけて
 色んなお話を伺ってきました。


 ◎雨の後の成長具合

  これが今回の写真


  これが前回の同じ場所

  2枚の写真の間に何があったか。

  年間1000mm程の雨量の神戸ワイナリーで、7月1日から4日までの
  期間で130mm、その後13日までで200mmの雨が降ったそうですから
  いかに集中豪雨があったかが伺えます。

 この2枚の写真を比べるとむしろ今回の方が葉が整っていて落ち着いた感じ
 がしますね。いかにこの雨の後の畑のマネージメントを迅速に進めたかが
 伺えます。




 前回ブドウ(カベルネ・ソーヴィニョン君)をアップで捕らえてみましょう。

 今回(7月13日)のブドウ
 


 前回(6月29日)のブドウ
 


 ああ〜ん、もう!!

 ブドウちゃんの房の育ちが全然違いますよね。
 あと、葉の大きさも格段に大きくなっています。

 この2週間の急成長をまざまざと見せ付けてくれます。


 また今回の畑は、本葉が大きくなっているにも関らず副梢が見事に
 落とされて房の周辺の風通しが良くなって入るのに比べると前回は
 副梢整理がまだ出来ていない状態だったので房周辺に小さな葉が
 たくさん茂っているのがわかります。

 これを落としておかないと房周辺に湿気が溜まって、カビが生えたり
 病気に置かされてしまうという事です。

 因みに、房の硬さですが、まだコチンコチンです。全然まだ柔らかく
 なっていない。

 また地面すれすれの写真をご覧下さい。

 

 ああ〜!感動的なまでにきれいに刈り込んでいますが、これたった
 3日前に刈り込んだ地表です。

 この3日間だけで草が20cmほども伸びちゃう。

 真夏の陽気、そして豪雨・・・・自然の力ってやっぱすごいですね!


 ここも雑草を刈り込んでおかないと地表に湿気が溜まりますよね。
 ちゃんとそれを見越して豪雨のときにしっかりと草を整理しておく。

 なんて行き届いた畑なんでしょう。

 イタリアだとこんなに雨が降らないですから、ほとんどこういう部分の
 心配は要りませんよね。


 日本の醸造用ブドウ栽培の苦労は一入です。


◎ピエモンテと神戸の畑を比べる

 あと、こんな比較も出来ますよ!

 この下の写真はイタリアのピエモンテのブドウ畑です。
 

 こちらは神戸ワイナリー。
 

 何が比較したいかわかります?

 
 そう!ブドウの木の列が丘のに対して縦か横かという部分です。

 ピエモンテの畑が丘の傾斜に対して横に列を並べているのに対して
 神戸のそれは縦に配列しています。高いところから低いところに列を
 なしています。

 これ、何故だかわかりますか?

 そうです。これも雨対策。縦に並んでいれば、その根によって雨水を
 妨害することなく下に向って流すことが出来ます。

 一方ピエモンテのようなヨーロッパ的乾燥地帯では、逆に横に根を張り巡らす
 ことによって雨水をせき止める役割を果たしてくれる、ということです。

 ブドウの木の列の縦横にもこんな意味合いが隠されているんですね!


◎もう一つの日本のブドウの敵

 あと、日本のブドウ畑ならではの特徴として今回気づかされたのは・・・

 

 上の写真にあるようにブドウ畑の縦の列だけではなく、横の列とも
 しっかりとワイヤーで固定されている点です。

 これは、何故だか分かりますか?

 これは、台風対策ですね。強い台風ならブドウの枝だけではなくその
 畝そのものを壊してしまう力があるそうです。

 ですから、縦だけではなく横もしっかりとワイヤーを張り巡らせて強度を
 頑強にしているわけです。

 その結果・・・トラクターが進入することも不可能になりすべての作業は
 人の手に頼らざるを得ない・・・・・・

 この辺り、品質だけではなく量や効率もある程度追求しなければならない
 ワイナリーにとっては重大な問題になります。

 でも神戸ワイナリーはあくまでも質を重視して、当然のようにブドウと高い
 レベルで共存しているんですね。


◎ヴィンテージはつながっている!?

 今回末松さんに伺った話の中で最も興味深かったのは、ブドウの房をつける
 結果母枝(けっかぼし)から上に伸びる結果枝(けっかし)は最初、前年度まで
 のエネルギーで伸びるという事です。

 

 下の黒い枝部分が結果母枝で末松さんの指先が触れているのが結果枝
 で、その指ぐらいまでが昨年の冬から今年の春までのエネルギーで伸び
 ます。

 大体、本葉の8枚目ぐらいまでの位置で、それは節と節の間の節間(ふしま)
 が長く、それより上の節間が短くなることで判断されるそうです。

 昨年のエネルギーで伸びる部分と今年のエネルギーで延びる部分の境目を
 養分転換期と呼ぶそうですが、この時期までに葉の数を合わせてきっちりと
 マネージメントをしておかないとブドウの成長を妨げてしまうそうです。

 例えば、今年の葉はとても小さくて節間も例年に比べると短いそうです。
 
 それは昨年2004年の台風16,18号の影響で葉がすべて落ちてしまった
 からだそうです。雨がとても少なかったことも大きく影響しているという事です。

 よく「ヴィンテージ・チャート」というとその年だけを見てビッグ・ヴィンテージだとか
 をとても表面的に判断されがちですが、やはり自然のサイクルと言うのは当然
 影響を与え合っているんだなと思いました。


 葉が小さくなっている今年のカベルネ・ソーヴィニョン君。つまり、それは
 樹勢を制限できるということで、今年のワインはこのまま行けば非常に
 期待が持てる、ということでした。

 収穫以降が本当に楽しみですね。



◎待ちに待ったリースリングの畑

 今回の訪問でとても楽しみにしていたのがリースリングの畑を見せて
 いただくことでした。

 神戸ワイナリー醸造チームが最も愛着と情熱を注ぐブドウ品種・・・そんな
 熱い思いが一番伝わってくるブドウだからです。


 

 これがリースリングの畑です。

 

 ぱっと見てカベルネ・ソーヴィニョンと全然違うことが分かりますか?
 結果母枝から上の房周辺に葉が密集していますし、主幹もとても細いです。

 また上に伸びている結果枝が赤くなっています。これもリースリングの特徴
 だそうです。

 下の写真はカベルネ・ソーヴィニョンの結果母枝付近。つまり房周辺です。

 ←カベルネ・ソーヴィニョン

 カベルネ・ソーヴィニョンは房周辺の湿気を溜めないために副梢を切り落として
 風通しを良くしています。

 ←リースリング

 一方、リースリングの方は、房周辺は副梢を落とさずに上のほうで
 副梢整理して、むしろ房を葉で覆うような格好になっています。

 これは、リースリングの果皮の薄さが原因になっているそうです。

 つまりリースリングの果皮は非常に薄く繊細なために強い日差しや
 雨、風などで傷めてしまうケースが出るためなのです。

 下の写真をご覧下さい。

 

 粒によっては果皮が破れて黒く腐敗してしまっているのが見えるでしょう?

 リースリングはこれが怖いのだそうです。

 前回も触れましたが、収穫期に雨に降られると三日でブドウは腐ってしまう。

 だからクローンも「64番」という比較的粒と粒の間に隙間が出来るタイプの
 木を選抜しドイツから輸入しているのです。

 それほど繊細なんですね、リースリング君は。でも神戸ワイナリーはそこに
 農薬だとか化学的な施しを加えようとしない。

 あくまでも自然に従う形で人間のできる最大限の仕事をしているのです。

 

 

 末松さんは最も枝に近く太陽を浴びやすい粒を一粒一粒選んで
 はさみで切り落としていました。上写真の房も根元の上部から5,6粒
 切り落とされていました。

 上の房は最もその成長が早いシャルドネです。シャルドネ君の粒を少し
 指で押してみるとちょっぴりペコっと凹みました。

 徐々に熟れてきた証拠なんですね。


 一方リースリングはカベルネ・ソーヴィニョンと同様、カチンコチンでまるで
 石かガラスのようでした。


  ←栽培担当 末松さん

 これだけ房にエネルギーが効率的に向うように施しても最終的に
 枝の先に実る一番大きな房は醸造しないそうです。元気に大きく
 なりすぎてワインとしての力を発揮してくれないからだそうです。


 ブドウ君の成長ぶりを見て、しかも触れることもできて、またたくさんの専門的な
 お話が伺えて刺激的でしたし、もっともっと勉強して神戸ワインにより近づき
 たいと言う気持ちを強くしました。

 次回は、カベルネ・ソーヴィニョン君が色を変える頃=ヴェレゾン期に伺う
 ことになってます。その兆候が見え始めたら末松さんから連絡を頂いて
 出かけようと思います。

 梅雨も終わって、これからひたすら成長する時期ですが、エレガントなワインに
 なるためには、夜の温度がしっかりと下がることが重要なんだそうです。

 夜の気温が20度以下なら酸を果皮に蓄えてくれるそうです。

 寒暖の差がいかにワインのブドウにとって大切かが分かります。


 日本の熱帯夜ではそのエネルギーを浪費してしまう・・・難しいですよね。


 ということで、また次回のレポートをお楽しみに!!(^^)


 神戸ワイナリーの末松さん、暑い中を長時間、どうもありがとうございました!!


  神戸ワイナリーのワイン
 

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