![]() 「ブドウ畑へ!」のために樹一本一本につけた名前を 貼っていただきました。 ブドウ畑へ! No.10 芽かき、誘引、副梢整理、先端カット、 巻き蔓除去 & 神戸ワイン10種類テイスティング 真夏のムンムンする熱気がまとわりつくような朝の神戸ワインでした。 9時20分西神中央発の農業公園バスに乗り、到着したのが9時30分ごろ。 集合時間までまだ時間があったので近くのカベルネ・ソーヴィニョンの畑を 除きに行くと栽培担当の安居さんが作業をされていました。 ウィ〜ンというモーター音をうならせて、猛々しくその深緑の蔓を伸ばして いる部分をカットされています。 ![]() カッターの先端もう梅雨は終わろうという時期だから、地中からの水分を たっぷりと吸い上げたブドウたちは、夏の陽気と共にその 生命力を謳歌して成長しようとするのですが、そこで待った をかけるのが人間です(^^;) 「君のそのエネルギー、全部房にまわしてくれよ!」 というわけです。光合成には不必要な葉も沢山つくって しまいますし、葉や蔓の密集は湿気がたまる日本の夏には 様々な病気をもたらします。 ![]() ほれ!これはブドウの病気の中で最もポピュラーなものの ひとつ「べと病」です。6〜10月、湿度の高い時期に起きやすい カビの病気。 葉の裏面(写真左)の白くカビたところがそう。表面では黄色に 変色していますな。こうなると葉は死んでしまい、光合成が できません。ブドウの房が感染すると白、褐色に腐ります。 これを防ぐためにボルドー液という石灰と硫酸銅でつくられる 農薬を神戸ワインでは使用しています。 ⇒ ボルドー液 さて、今回は猛暑の中での作業であることを考慮して神戸ワインの 計らいで、テイスティングを先に実施して、後で畑に繰り出して 作業することになりました。 「作業の後で、テイスティングするともうぐったりしてまともに 味わえないでしょ?」 と末松さん。全くその通りです。お気遣いに感謝!! 今回は十種類ものワインをご用意くださりました。テイスティングして いきましょう! 1. セレクト 05 樽熟成なし (8万本生産) まだ微発泡。鋭角的な酸が余韻に残るが液体のトロトロ感は 良く出ている。 醸造課長の高坂さんは 「まだ酸が浮いてるでしょ?まだまだリリースできません」 ふ〜ん、これを「浮いた酸」と理解すればいいのか!と納得。 2. シャルドネ 1年間樽熟成 04 ナッツ、フルーツは美味しいリンゴ。余韻長い。 1よりも酸のヴォリュームががあり、強く、丸い。 3.セレクト 05 甘口 1とちがって、甘い分酸が浮かない。 4.信濃リースリング 05 しっかりした色合い。濃い麦わら色。 まったりした桃、びわ、杏系。 おいしい! 5.リースリング 05 (C64クローン) 神戸が誇る100%リースリングの赤ちゃんともいえる作品。 完全にまだ眠っておりますな。 色は信濃よりも薄い。香りにミネラル香がしっかりあってフルーツ を隠している印象。 リリースは5年以上先。普通のワインより10ppm亜硫酸の量が 多いそうだ。 6.ロゼ 05 (カベルネ、メルロー、シャルドネ) カベルネ、メルローのやや野菜香の強い部分に白の果実香が のって爽やかさに親しみが深まる。分かりやすいフレッシュなフルーツ。 そして軽い赤のフレーヴァーとアルコールの軽やかさ。 ロゼの魅力を余すところなく表現している。おいしい!! 7.セレクト 赤 樽熟成なし(ブドウのランクA.B.ミックス) 果実味と深み、そして味わい全体の一体感と調和。 暑い時期だからこそ、滅茶苦茶に引き立つ軽さの中にある味わい 深さ。ロゼとともに本日最高のワイン!!(^^) 8.みのり 05のヌーボー メルロー 100% VINOSO・・・発酵香がやはり際立っているがフルーティーさも 出てきている。質感的には7と同じものを持っているが、この 「新酒らしさ」がワインとしての落ち着きをなくしている。 逆に言えば、ピチピチ感が良く出ているということだが・・・。 9. メルロー 樽発酵 05 全面的に種の香り、枝の香り・・・ブドウから来る果実の香りが まだ出ていない。見当たらない・・・。 こういのがまだまだリリースできない味わいの典型なんだ ろうな。 10. ノーブル 樽熟成 6ヶ月 05 塩気がしっかりあり、ミネラル豊富、そして果実の凝縮感もある。 ワインとしての格を感じるもののまだまだ硬く、表現されていない。 大輪の花の蕾のような存在だ。 テイスティングが進むにつれて、皆が打ち解けてきてワイン談義に 花が咲いてきます。 ![]() 三田村先生曰く、 「こういう楽しみ方が一番楽しい楽しみ方!そして一番正しい。 レストランや家で飲むのもいいけど、作られた場所で、まだ 瓶詰めされていないようなワインをいただく。あなた方は 幸せだよ!」 本当にそう思います。僕は最近、グラスに注がれているワイン同様 三田村先生をはじめとする神戸ワインのスタッフの方もワインの ように思えてきました。 彼らに接することもワインテイスティングのプロセスの中にあるような。 彼らを会話をすることもワインを楽しむことと同義語なのです。 さて、話がリースリングに集中し始めると三田村先生がまた新たな ボトルを開けてくださいました。 なな、なんと! リースリング 97 ・・・・神戸ワインファーストヴィンテージの リースリングです。 ![]() 残念ですねぇ。市場では完全に絶滅したワインです(^^;) 神戸ワインにもあと2ケースしかなく、しかも数本コルクの影響で 変色してしまっているものもあるそうです。 こういう貴重なワインを我々のために開けてくださる神戸ワインに 大感謝!! 色は見事は深みのある黄金色なのですが、やや緑の反射もあります。 「ビールの色みたいですね!」 という言葉が参加者の中から出ましたが三田村先生は 「いや、ビールの色じゃないよ。だって緑色がまだ見えてるから」 ほんのニュアンスですが、結構大きな要素です。 香りは、蜂蜜、黄桃、杏ジャム、塩気たっぷりでまるでペコリーノ・ロマーノ のような香りも。そしてわずかなマデイラ香。 「しとやか」・・・そんな表現が似合う味わい。全体的に優しくて軽い。 でもただ軽いだけじゃない。香りのヴォリュームまとわりつつ、そこに 食感としての滑らかさも加わる。 大げさかもしれないが、ワインが意志を持ってこちらに迫ってくる ような官能性がある。 畑での死闘(リースリングは最も繊細で弱いブドウです)、細心の醸造、 そして9年と言う時間の流れ・・・すべてが結集するとワインはそれ自身に 魂を宿す。 そんな思いに駆られます。 「これ、味わいの放物線としてはどの辺りと考えたらよろしいですか? 現時点で最高地点なんでしょうか。それとも落ちかけているんでしょうか?」 と質問する僕に三田村先生が答えてくれます。 「少なくとも最高は過ぎてるよ。シェリーのような香りも感じられるしでしょ? これが感じられたらもう落ち目よ。」 「こういうワインはカカオの比率が高いチョコと合わせたいな。できれば カカオ85%ぐらいのが理想!」 イキイキとした表情でそう答えられた。 ワインと言うのは、今飲んでいる瞬間が「飲み頃」ではないだろうか。 三田村先生の表情を見ているとそんなことも感じました。 さて、畑に繰り出しましょう!! 周囲の畑は綺麗に剪定され、見事に散髪されているのに、 ヴィーテ・イタリアのラインは見事に残していてくださいました。 ボーボー状態です。 ![]() これ、僕が担当した「タキス」の樹です。 今回は、前回の続きのような作業。梅雨の期間中に伸びきった 蔓の先端、葉、副梢、巻き蔓などをカットしていきます。 とにかく一目見て、これは大変な作業になると思いました。 前回とは比べ物にならないほど、葉も枝も桁違いに生育していた のです。小さな葉、大きな葉、枝になってしまった副梢などを かき分け、カットし続けますが、一向に前進しません(^^;) ⇒ ![]() 不要な部分をカット スッキリします(^^) ⇒ ![]() ↑ カットするべき副梢が枝を化し、本葉を凌ぐ樹勢で伸びて いるのが分かりますか?カットすると右のようになります。 副梢は光合成には関係ありませんから、放置することはエネルギー の無駄遣いに他なりません。 約一時間半の間、作業に勤しみましたが結局最後の最後までは たどり着けませんでした。やや散髪し損ねた部分を後ろ髪引かれる 思いで離れていきます。 ←平均して房はこのようにまだ浅い 緑色でしたが・・・ ![]() 「テソーロ」の樹だけがヴェレゾン(色づき)を始めていました。 ![]() 刈り終えたタキスの樹です。 風よ、蔓と蔓、葉と葉の間を駆け抜けて、ブドウの樹をカビと 病原菌から守ってくれ!! ![]() 本日の精鋭たち! 次回訪問時にはヴェレゾンも終わり、メルローはもうすぐ収穫という レベルまで熟れているはずです。 黒々とした実をつけたブドウたちに会えることを楽しみに次回 また神戸ワインに戻ってこようと思います。 次回は、メルローの畑を散策して、畑によるブドウそのものの味わいの 違い、樹によるブドウの味わいの違い、房による味わいの違いを 郊外の畑を歩きながら感じてみたいと思います(^^) 第一回 2005年5月 はじめての「ブドウ畑へ!」 第二回 2005年6月 副梢整理と誘引 第三回 2005年7月 ブドウ畑について尋ねる 第四回 2005年8月 色んな畑のブドウをテイスティング 第五回 2005年9月 発酵、圧搾、そして収穫! 第六回 2006年1月 アッサンブラージュと剪定 第七回 2006年3月 接木&青空テイスティング 第八回 2006年5月 芽かき&醸造現場テイスティング 第九回 2006年6月 誘引、巻き蔓除去、先端カット、副梢除去、花カス除去 第十回 2006年7月 酷暑の中の誘引、まきづる除去 パート2 第十一回 2006年8月 畑巡り&ブドウテイスティング 第十三回 2006年12月 『グラン・クリュ大沢(オオゾ)』へ 第十四回 2007年2月 2006収穫ワインのアッサンブラージュ 第十五回 2007年3月 冬季剪定&接木 トップへ 次回の「ブドウ畑へ!」 「ブドウ畑へ!」のヴィジョン 神戸ワイン 神戸ワイン ブドウ栽培日記 神戸ワインのショッピング
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