カベルネよりも開花が早いピノ・ノワール


   ブドウ畑へ! No.17   2007年6月2日(土)


   梅雨前の神戸ワイナリーは、「清清しい」とまでは決して言い
   切れませんが、熱気が肌にまつわりつつも、強い風が吹いていて
   爽やかな初夏を感じさせる陽気でした。


  今回のテーマは、主に「副梢整理」「巻き蔓除去」「誘引」です。

  
   いつものように末松さんの丁寧な説明から始まります



  副梢(ふくしょう)というのは、各節からでてくる葉の中でも、光合成に
  役立つ本葉(ほんば)の上から出てくる小さな芽のことで、これを
  カットすることにより、通気性を持たせて、カビなどからブドウを守る
  作業です。


  巻き蔓は、その葉の反対方向から出てくる、いわば房の芽ともいえる
  もので、房にならない分、長く伸びて、様々な葉を巻き込んで
  通気性を妨げたり、葉を損傷します。


  誘引は文字通り、長く伸びた結果枝を垂直に固定して、葉の密集を
  防ぐと同時に、雨のしずくを落としやすい環境を作ることです。


  


  今日も例によって「TimbroCaro」の樹を世話してきました。

  実は数日前にパートのおばさんたちが「誘引」してくれて
  いたので、僕の手間は省けました(^^;)


    

  作業前(左)と作業後(右)の結果枝です。副梢を取り除き
  巻き蔓を取ると、空気が良く通る状態になります。

  もちろん、要らない蔓、葉をカットするということは、
  ブドウのエネルギーを房に集中させることに繋がります。

  つまりエネルギーの浪費を防ぐ、省エネルギーになり、これが
  質の高いブドウを生むことに繋がっていきます。


    
   作業前               作業後


  スースースーと風が房の赤ちゃんの間を通り抜けて
  行くように、本葉のみを残します。

   
  そして、今年は枝が短く、房が大きく出来上がっているので
  房の根元当たりのまばらな房部分だけはカットしました。

  「整房」と言われる、いわばグリーンピッキングの一つです。


     
   整房前                整房後


  

   ↑ 整房して切り取った房の赤ちゃん(ごめんね)

  カベルネはご覧の通りまだ開花していませんでした。
  
  ブドウは花びらがありませんので、この緑のキャップが開いた
  と同時に自家受粉します。


  

  ワイヤーに絡まった巻き蔓です。これもカットしておかないと
  菌や虫達が越冬する環境を与えることになります。

  そういう部分までちゃんと考えられているんですね。


      

    ↑
  同じ部分から二つ結果枝が出ているところも、見つかりました。
  前回の芽かき時に、刈り取り忘れたものでしょうか。

  この場合、主幹に近い枝を根元から切り落とします。

  ただ、残される枝の房の状態が極端に悪い状態やあまり房の
  つきが良くない場合には、逆の方を切り落とします。

  現状で、花(蕾)をつけていない場合は、もう今年はどうにも
  ならないということです。


      


  お子様連れ、ご夫婦、お友達と、お一人で、、、、
  このイベントの参加者の皆様は、実に多彩です。


  共通しているのは、自然が好きなこと、好奇心があること、そして、、、
  出不精じゃないこと(^^;)でしょうか。
  そう、ワインが好き!というのは必ずしも共通していない(^^)

  非常に良い感じだと思います。


  
  

  約1時間〜1時間半で最終的には、ヴィーテ・イタリアのライン
  すべての作業を終えることができましたが、神戸ワイナリーの
  皆様にとっては、鼻で笑っちゃうような遅さなんだと思います。


  このラインだけで、醸造ができたら良いだろうなあ、と思って
  高坂課長にそれとなく聞いてみましたが、やはり収穫から発酵
  の過程で毎日付きっきりにならざるを得ず、やはり今のスタンスでは
  絶対無理だと分かりました(ごめんなさい、大それたことを申しまして!))


  皆で、実験畑のラインを通って、木陰のテイスティングとなりました。

  
    ↑左の木の下でテイスティングでした


  冒頭の写真にもありましたが、ピノ・ノワール、グルナッシュなど、
  まだ神戸ではワインにされていないブドウ品種が沢山植えられ、
  その適応性をテストされていました。

  自然を相手にすると、実験にも年月がかかりますね。ましてや
  ワインになることを考えれば、1世代、2世代の時間を要すること
  です。

  この感覚は、自分と自然との距離感を知る上でとても有効なのだと
  思います。

  ワインを作ると言う事は、ガウディのサグラダ・ファミリアや
  ヴァティカンのサン・ピエトロ寺院を建設するぐらいの時間と
  人間のセンスが必要なのだ、という気がします。

  (結局、その価値が分かるか、分からないかの2タイプに
   人間は分かれるのかもしれません)

  その現場にわずかながらにでもタッチしている自分の幸運を
  思わずにいられませんし、改めて神戸ワイナリーのご好意に
  感謝したいと思います。


  さて、木陰テイスティングのラインナップは以下の通り。

  


   実は今回は、神戸ワインのテイスティング予定はありません
   でしたので、僕のほうからイタリアワインを持っていきました。

  そしたら、お気遣いくださった高坂課長がまたもワインボトルを
  何本も抱えて持ってきてくださるではありませんか!!

  ワインができるその場所で、ワインをいただくことほど幸福な
  こともめったにないと思いますが、醸造途中のワインをいただける
  ことは、産婦人科に定期健診にいくような思いがします。


  赤ちゃんが生まれるとそれが誕生日となるわけですが、赤ちゃんの
  側に立てば、当然お母さんのお腹の中ですでに生命を宿して
  いるわけです。

  神戸ワインファンとして、ワインビジネスに携わる人間として
  はやり畑との接点は大切にしたいという思いを新たにしました。


  さて、テイスティングです。

  1、コル・バラカ ソアヴェ・クラッシコ・スペリオーレ 04  マアジ社

    しっかりとした麦わらに緑の反射。フルーツの香り絢爛。
    よく熟れたトロトロの洋ナシ、トロトロの白桃、、、、なんちゅう
    美味いフルーツでしょう!そして余韻には、ミネラルとアーモンド。
    美しいソアヴェです。


  2、神戸ワイン シャルドネ 
    (2006年だが、もちろんまだ瓶詰すらされていない)
 
    りんご、ようなしのフレッシュな香り
    酸の口当たりが非常に柔らかいが、後からしっかりとした
    ストラクチャーを感じさせる強さを見せる。

    大沢(おおぞう⇒神戸北区)と、平野(神戸南区)のAクラスの
    ブドウを使用。将来「セレクト白 やや辛口」になる。

   3. 神戸ワイン セレクト  
     (2006年、こちらもリリースまではまだ!将来は「セレクト白 やや甘口」に)

     シャルドネのBランクと信濃リースリングをブレンドしたワイン。

    青りんごや熟れた桃の香り。尖った酸とリースリングから
    来るやや強い苦味が余韻に残る。

    高坂課長曰く
    「これをフィルターにかけることで苦みを減らすことはできます」


   4. ロゼ  2006 もちろんこれもまだタンク内でお休み中

     Aランクのカベルネ、メルローと、Bランクの血抜きしたもの
     をブレンドしたワインだそうです。

     血抜きとは「セニエ」といってワインを絞り、マセレーションを
     する前に一定量のワインを抜く工程。


     カベルネらしい野菜香と果実の香りのバランス良い。
     これは料理との相性では素晴らしいものになるのでは
     ないでしょうか。

     チェリーやトマトの葉の香りが印象的です。

     炭酸ガスが結構しっかりと感じるのですが、高坂さん曰く

     「コレのお陰で一般的な亜硫酸の添加量の3分の1ぐらいで
      済むんです。1kgに100ppm、これがいい加減なブドウで
      つくると200〜300も入れなければならなくなります」


    5. 2006 赤  メルロー60〜70% 残りカベルネ

     タンニンの平坦さを感じましたが酸と甘みのバランスは
     非常に良いです。


    6. 夢 1999 (高坂課長曰く「セラーで忘れ去られてた    
       ボトル」)
       熟成香とブルーベリーの凝縮した香り、綺麗。
       当時はカベルネがほとんどで樹齢の若かったメルローは
       ほとんど入っていないそうです。

       フルーツの甘み、凝縮した香りはありますが綺麗な辛口です。
       ミネラル、土、コケ、フルーツのスピリッツ漬けの雰囲気が
       ありながら、スパイシーで、こしょうやミント、ペパーミントの
       香り。

    7. セグレタ・ビアンコ 2005

       果実が弾けるワインです。ここまでフルーティーで、まったりと
      した甘みを持ちながらも、ある種の爽やかさがあるのは、決して
      アウトドアの最高のシチュエーションで飲んだからだけではないと
      思います。

      丸みがありながらもヴォリュームのある酸、そして特有の苦味が
     全体像を引き締めているように思います。シチリアのパワー全開、
     それでいて、どこかしらにエレガントさもある素敵なワインです。
   

   「ああ〜〜気持ちいいなあ!!仕事のストレス忘れるなあ!!」


   そんな言葉も参加者の方から聞くことができました。
   
   少し時間が遅くなってしまいましたが、その場で解散となりました。

   これから非常に暑い季節が始まりますが、また神戸ワイナリーさん
   のご予定を見ながら通いたいと思います。


   最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

   次回の開催は未定です。分かり次第連絡します。


 
    
  「ブドウ畑へ!」全レポート
   第一回 2005年5月 はじめての「ブドウ畑へ!」
   第二回 2005年6月 副梢整理と誘引
   第三回 2005年7月 ブドウ畑について尋ねる
   第四回 2005年8月 色んな畑のブドウをテイスティング
   第五回 2005年9月 発酵、圧搾、そして収穫!
   第六回 2006年1月 アッサンブラージュと剪定
   第七回 2006年3月 接木&青空テイスティング
   第八回 2006年5月 芽かき&醸造現場テイスティング
   第九回 2006年6月 誘引、巻き蔓除去、先端カット、副梢除去、花カス除去
   第十回 2006年7月 酷暑の中の誘引、まきづる除去 パート2
   第十一回 2006年8月 畑巡り&ブドウテイスティング
   第十三回 2006年12月 『グラン・クリュ大沢(オオゾ)』へ
   第十四回 2007年2月 2006収穫ワインのアッサンブラージュ
   第十五回 2007年3月 冬季剪定&接木
   第十六回 2007年5月 芽かき
   第十七回 2007年6月 副梢整理、巻き蔓除去、誘引



  トップへ  次回の「ブドウ畑へ!」    「ブドウ畑へ!」のヴィジョン

  神戸ワイン     神戸ワイン ブドウ栽培日記    神戸ワインのショッピング


 
     Copyright(c) 2006 Vite Italia. All rights reserved.